ニュージーランドの最大の蝶として知られ、また最も身近な蝶でもある「モナーク・バタフライ(Monarch Butterfly : オオカバマダラ) 」。大空を飛ぶオレンジの蝶も美しいけれど、実はサナギのころも息をのむほど美しい姿をしている。
僕はあるシーズンに40匹以上を育てて、羽化を見守り、空に放ったことがある。ここでは、この神秘的なまでのモナークのサナギを室内で観察し、目の前で羽化させる方法を書いてみよう。意外と簡単で、素晴らしい体験になる。ぜひやってみてほしい。
まずはモナークバタフライを育てよう!

モナークバタフライの幼虫のエサとなる植物は、スワンプラント Swan Plantという、和名で風船トウワタという一年草のような植物だ。ニュージーランドのオークランドはそれほど寒くないので、冬でも枯れず、年がら年中見ることができる。
スワンプラントについてはこちらに詳しく書いた↓
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これを植えておくと、いつの間にかモナークがやってきて卵が産み落とされ、3週間くらいで立派な幼虫が何匹も見られるようになるはずだ。
モナークのサナギを採集して、見やすい場所に移す

しっかり大きくなった幼虫君たちは、そのうち枝を降りて付近を歩き回って、さなぎとなってぶら下がれる場所を探そうとすることがおおい。僕の経験では、低木の茂みや、フェンスのかさ木(?)の雨が当たらないようなところでサナギになることが多かった。
なので、あらかじめ植物を網目の細かいネットで囲って上げておくと、害虫対策にもなって一石二鳥かもしれない。
モナークバタフライのサナギは、根元をちょっと糸で固定してある程度なので、糸をほぐすように(あるいは、ぶら下がっている小枝ごと)採集して、家に持ち帰ろう。

羽化に失敗!室内でモナークのさなぎを観察する理想の環境は?
サナギを持ち帰ったら、あとは基本的にどこかにぶら下げておけば、2週間ほどで勝手に羽化してくれる。
・・はずだったが、僕は最初に室内に持ち込んだモナークの羽化に失敗してしまった。
プラスチックの飼育ケースを横にして、天井部分にサナギの根元をセロテープで張り付けたのだが、どうやらこれがいけなかったらしい。
なぜかというと、これだと羽化した蝶が停まれる場所がないのだ。羽化のあと、サナギの殻にしがみつくのが居心地が悪いと蝶は足を伸ばして移動しようとする。周囲がつるつるだと、バランスを崩して羽根が伸びきる前に落ちてしまうのだ。だから、プラスチックケースに付けるのも、セロテープで固定するのも避けたほうがいい。
僕はその失敗を踏まえて、どうモナークのサナギを室内で観察するか考えてみた。イメージとしては、盆栽のような枝ぶりの枯れ枝に規則正しくサナギをぶら下げたい。そんなことを考えながらドライブしていたら・・あった!こんなところに理想の枝が!
ニュージーランドならどこでも生えている、フラックス (Flax)!
フラックスが花を咲かせるために伸ばす枝は強度があって、一昨年のものも、折れずによく残っているのを見かける。これを持って帰って使ってみると・・
フラックスの枝を使ってモナークのサナギを観察しよう!
フラックスの一昨年の枝を使ってみたら、ハマった。まさに、僕がほしかった「盆栽みたいなさなぎの木」だ。


さなぎをくっつけるコツは、デンタルフロスをつかうこと。
テープでくっつける場合は、はさみでなるべく切って細くしてから使う(羽化した成虫が滑ってしまうから)。サナギの根元に小枝とかがついていればテープで止めやすいが、無い場合は、サナギの柄部分にデンタルフロスを結ぶ。デンタルフロスを枝にくくってしまえばサナギが落ちることはまずないし、羽化の途中でつるりと滑ることもないはずだ。
羽化直前に見せる、モナークの奇跡

さて、長くなってしまったがやっとモナークの宝石のようなさなぎが観察できる条件が整った。
モナークのサナギはおおよそ2週間ほどで羽化する。
不思議なことに緑色だったサナギは羽化直前の夜だけ透けて見えるようになる。だから室内で観察する必要があるわけだ。
ここにちょっと光を当てると、それはもう神秘的な宝石としかいいようがない美しさだ。
羽化は早朝!早起きして見守ろう。

羽化は午前中の早い時間帯、日の出~朝の10時ごろであることが多い。羽化は10分ほどであっという間。その瞬間を逃さないように、根気よく観察してみよう!
羽化の様子をタイムラプス動画で撮影した様子もアップしたので、併せて観ていってほしい!
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Last Updated on 2022年9月22日 by 外山みのる
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