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オークランドで飼い犬の中毒死が多発。毒性があるカラカの実とは?

オークランドで飼い犬の中毒死が多発。毒性があるカラカの実とは?

さきほど入ってきたニュースで、ニュージーランドの植物がからむ事故があったようなので『Nature ニュージーランド』としても取り上げてみたい。

ニュースサイト「1news」によると、今週(2017年2月初週)に入って、オークランドで、散歩中に「カラカ」という木の実を食べた飼い犬が立て続けに3頭も中毒死してしまう事故があった。

安全なはずの街中で、どうしてそんなことが起こってしまったのか。
このページでは、「カラカ」という木についての詳細と、飼い犬がいる方はどう対策を取るべきかを書いてみたい。

オークランドで飼い犬が中毒死・・カラカとはいったいどんな木?

1news – オークランドでカラカを食べたワンちゃんが立て続けに亡くなる

 

2017年の2月に入り、オークランドで散歩中の犬が中毒死してしまう事故が立て続けに3件起こり、地元の獣医はニュースを通して飼い主への注意を呼びかけている。

犬が食べてしまったのは、いずれも「カラカ(karaka)」と呼ばれるネイティブ・ツリーの木の実。

カラカの実 by Flicker
カラカ。葉には光沢があり、実はウズラの卵大の大きさ。この実はまだ若い。by Flicker

 

カラカはニュージーランドの北島と、南島北部に分布する常緑樹で、ツヤのある大きな葉と、夏~秋にたわわにつけるオレンジ色の実に特徴がある。(ちなみに、カラカとはマオリ語で、オレンジの意)

ちょっと驚きなのは、実はこのカラカという木は、オークランドなら街路樹としても植わっていて、ちょっとした公園なら必ず見かけるようなとてもポピュラーな木だ。夏から秋にかけてオレンジの実がたわわに実り、僕は熟した実が地面に落ちている風景も何度も見かけたことがある。
なんでそんなありふれた木の実が、今になって事故を引き起こしたんだろうか?

今年のカラカの実は特に毒性が強い

カラカの実。カラフルでとてもよく目立つ。

ありふれた木と言っていいカラカが、なぜ今年に入って急に中毒を引き起こす原因になったのだろうか?この点について、ニュースのなかで獣医であるマーク・ロブソン氏はこのように説明している。

「カラカの実は年によって毒性の強さが異なり、特に今年の実は毒性が強いようだ。」

カラカの実はすべてが毒性があるわけではなく、厳密にはタネの殻に毒性がある。
現に、NZ固有の鳥たちはこのカラカの実を食べているし、特にケレルと呼ばれるニュージーランド鳩の好物としても知られている。鳥たちはカラカの実の食べられる果肉の部分だけをたべ、タネは消化せずそのまま排出しているのだろう。また、マオリ族もかつてはカラカの実を食糧として重宝し、植林までしていたという記録も残っている。

2月に入ってカラカの実も熟しはじめ、オレンジ色で目立つ実を誤って丸のみしてしまった犬たちが、タネまで消化してしまったために事故につながった―――これがこのニュースの実態なのだろう。

カラカ誤飲の事故は防げるか?

カラカの木 by Flicker

カラカの誤飲を防ぐには、当然ながら予防をするに尽きる。
カラカは大きなツヤのある葉もオレンジの実もよく目立つため、一度識別すれば遠目でも判別できるようになる。(今すぐグーグルで画像検索して覚えてしまおう。)散歩コースのカラカの木を覚えてしまい、飼い犬が誤って食べないように遠ざけるのが第一だ。

でも、もし飲み込んでしまった場合はどうすればいいだろう?
中毒症状について、先述のマーク・ロブソン氏はこう話している。

「カラカの実を食べたとわかれば、すぐにでも獣医に見せることが第一。カラカの中毒症状としては、まず吐き気や下痢の症状がみられ、続いてパニックや手足の硬直などの神経中毒を経て、やがて意識を失う。これらの症状が出たらカラカ中毒を疑ってみてほしい。」

最後に・・

カラカはNZ固有の植物の中では珍しく街路樹としても育つほど強く、亜熱帯譲りの光沢のある葉は園芸品種としてもとても人気が高い。もちろん毒があるのは困った点だけれど、それもおそらく生き抜くための知恵なのだろう。僕は、このニュースを読んだ読者の方々が「カラカは毒があってキケン」という側面だけを切り取ってほしくない、とも思う。そういう面もある。うまく付き合っていけたらいいと思う。

one news – Three dogs die from eating poisonous Karaka berries

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