日本人にとって、ニュージーランドの街路樹というのは注目してみると意外と面白いものだと思う。
ネイティブ・ツリー(固有種)がよく使われているし、ヨーロッパ由来の木も多くて、日本人にはなじみの薄いものが多いからだ。
さて、オークランドの街を歩いていると、年間を通してこんなトゲトゲの―まるでマキビシのような―実が落ちているのを目にすることができる。硬くてギザギザしているので、大量に落ちていると本当に歩きにくい、不思議な木の実。これはいったいなんて木なんだろうか?
トゲトゲの実をもつニュージーランドの街路樹
ニュージーランドの街路樹や公園の木としてよく植えられているこんな木。
夏は青く、秋冬は抹茶色のトゲトゲボールがついている。紅葉もするので秋は見事な赤や黄色に染まる。
樹の名前は、「スウィート・ガム」!
調べてみると、どうやらこの樹の名前はSweet gum (Liquidambar styraciflua) というようだ。
アメリカ原産の落葉樹で、街路のような荒い環境でも育つことから、ニュージーランドにも輸入されたらしい。本家アメリカ大陸ではこのトゲトゲの実に詰まったタネは鳥やリスなどの大事な食料になっている。そういえばニュージーランドでも外来種の鳥・ヒワがこの実を突いているのを何度か見たことがあった。外来の鳥は、外来の樹の使い方を知っているんだろう。
木の下を歩く人間にはちょっと迷惑な実だけど、生きものたちにとってはありがたい食べ物のなる木というわけだ。
トゲトゲの実をアートに。
この実は真冬でも型崩れせず相変わらず路上に転がっているので、こんなに固いならアートに使えそうだなぁと常々思っていたけど、調べたらやっぱり作品作りにも利用されているようだ。


色を付けるだけで立派な飾りに!
路上のマキビシも、うまく利用すればとてもいい素材になるのかもしれない。
Last Updated on 2022年9月23日 by 外山みのる
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