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ニュージーランドで過去最大規模、400頭ものクジラが座礁。一体何が起きたのか?

ニュージーランド南島、ネルソンから近いフェアウェル岬 (farewell spit)で2月10日早朝、400頭以上ものクジラが座礁しているのが見つかった。

現場は浅瀬が広がる湾曲した浜辺で、これまで416頭ものゴンドウクジラ(Pilot whale)が打ち上げられているのが確認され、すでに7割近くは死んでしまっているという。事故発生から丸一日経った現在もまだ100頭ほどが浅瀬に取り残されており、ボランティアが必死の救命活動を行っている。

環境省によると、これはニュージーランド国内でも過去3番目に多い座礁だという。事故の様子を踏まえて、なぜクジラの座礁が起こったのか、その原因を追ってみよう。

過去最大規模・400頭のクジラが座礁。

ニュージーランドのクジラ座礁事故(2017)by RNZ

 

400頭以上ものクジラの座礁が確認されたのが2月10日の早朝。この記事を書いている10日夜現在、416頭の座礁とその7割に当たる312頭の死亡が確認されている。残りの100頭ほどについてはボランティアや地元環境省による必死の救助活動が行われており、その多くは10日深夜ごろの満潮時に海に戻す計画が立てられているようだ。

今朝(10日)からNZ国内のラジオやテレビはこぞってこの集団座礁を取り上げており、ほとんど人口のない地域であるにも関わらず(周辺の唯一の都市・ネルソンからも車で2時間半かかる。)500人ものボランティアが集まって、濡らしたシーツをかけたりバケツで海水をかけたりして救助活動を続ける緊迫した様子が放送された。

なぜクジラの座礁事故は起こるのか?

現場はフェアウェル岬という遠浅の海で、過去にも座礁事故が起こっている”クジラの罠”とも言われる場所。
今回の集団座礁は、遠浅の湾内に迷い込んでエコロケーションという超音波探知が乱れてしまったために、集団でビーチに乗り上げてしまった、というのがテレビで語っていた専門家の意見だった。

クジラが集団で座礁する理由は様々あって、シャチなどの外敵から逃れてパニックになっていたり、人間活動による騒音(軍の演習など)から逃れようと焦っていたりして浅瀬に乗り上げる例も報告されている。今回のように、地形的に”天然のトラップ”のような場所にハマってしまう例も少なくないようだ。

座礁したクジラの救助活動 by RNZ

 

海洋ほ乳類の多いニュージーランドではこれまでにも多くの座礁事故が起こっている。
ただし、ここまで大規模な座礁はほとんど例がない。416頭ものクジラが座礁した今回の事故は、1918年にチャタム島で起きた1000頭の座礁、そして1985年にオークランド沖合で起きた450頭の座礁についで、国内で3番目に大きな座礁事故となってしまった。

無事に満潮を迎えて、一頭でも多くのクジラたちが海に戻ることを祈るばかりだ。
僻地にも関わらず500名も詰めかけたボランティアの方々にも、心から敬意を表したい。

追記:2日目の様子はこちらから。なんと、2日連続で新たなクジラの集団が座礁してしまった。

【続報・NZクジラ座礁】原因はサメ? “人間の鎖”でクジラを守れ!

昨日からお伝えしているニュージーランドのクジラ集団座礁。2日目となった今日(11日)も、NZ国内メディアでは慌ただしくニュースが飛び交っている。いまだに200頭ものクジラが座礁したまま残っているものの、座礁の新たな原因が把握され、救助方法も確立しつつある…

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追記2:3日目の様子レポート。座礁したクジラは無事に海に帰った。しかし、死骸の処理が・・

【終幕・NZクジラ座礁】残ったクジラが“爆発”する!? 専門家による後処理へ

ニュージーランドで史上最悪レベルの事故となった2017年2月のクジラの集団座礁。3日目に入って浜に残っていたすべてのクジラは海に帰され、浜にはつかの間の平穏が訪れている。しかし、残った300頭ほどのクジラの死骸の後処理も簡単ではないらしい。というのも、浜で…

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園芸/造園/個人ガイド/コラム外山みのる
ニュージーランド(オークランド)在住。20歳でNZワーホリ後、海外自転車旅や山小屋バイト等を経て再びNZへ。移住を目指して家族で奮闘中。お仕事は園芸や造園、個人ガイド、コラム執筆。

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