ニュージーランドは山好きには天国のような国だ。
豊富な山々を舞台にたくさんのトレッキングコースが設置され、世界遺産地域のトレッキングは世界的にも人気がある。ここでしか見れない動植物が多いのも人気の秘密だろう。特に植物はなんとその80%が固有種、つまりNZにしか繁殖しない植物だとも言われている。
僕は移住して丸2年になるが、植物を専門に仕事をしていることや毎週末のようにトレッキングに行くようになったことで、山でみかける植物はたいていは判別が聞くようになってきた。このページでは、そんな僕が思う「これだけ押さえておけばトレッキングが楽しくなる」、よく見かけるNZ固有の植物を10種類挙げてみたいと思う。
NZの植物1:コーファイ


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ニュージーランドの国花、Kowhai。
春ごろに、まるで桜のように黄色い花を満開に咲かせる。Tuiというミツスイ科の鳥が大好きな花で、この樹を巡る鳥たちの縄張り争いは春の風物詩だ。コファイはいろんな商品のデザインにもよく使われている。人にも動物にも欠かせない植物と言ってよく、お花の季節はとても存在感がある。
NZの植物2:キャベッジ・ツリー


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マオリ族はこの樹を食料にしたり、家の材料に使ったりと重宝したらしい。変わった名前はヨーロッパからの初期入植者たちがこの樹の新芽を湯がいて食べていたことから付けられた。
NZの植物3:フラックス


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New Zealand Flax、マオリ語ではharakekeという。
森の道沿いや海岸沿いなんかによく生えていて、肥沃な土地なら人の背丈以上に育つ。マオリ族はこのフラックスの葉を編んでカゴや服などを作った。ヨーロッパからの入植者たちは“フラックス畑”を作って繊維を大量生産し、母国イギリスに輸出していたらしい。
NZの植物4:ポフツカワ


「クリスマスツリー」とも呼ばれる、ニュージーランドの初夏の代名詞のようなお花。最盛期は木全体が真っ赤に燃え上がるように見える。この樹の周辺にミツバチの巣箱を置けば「ポフツカワ・ハニー」も手に入る。マヌカハニーと違って癖がなくおいしい。
NZの植物5:ランス・ウッド


写真はオークランドの街中で撮った。奇抜なカタチ&強い日光のもとでも育つ強さから園芸品種としても重宝されるランスウッドは、かたちを変えながら育つ木として知られている。どうカタチが変わり、そしてなぜ進化したのかは別の記事にしたので参照してほしい。
NZの植物6:カウリ


ガイドブックにも必ず載っているカウリ。樹高50m、樹齢は2000年以上にもなる種類の木で、北島北部のワイポウアという森には国内最高齢となる、樹齢2500年とも言われる巨木がある。
NZの植物7:ニカウ


地球上でもっとも南に分布するヤシの木、ニカウ。熱帯と比べて随分と寒いニュージーランドの気候に対応したためか、ものすごいゆっくりと育つよう進化している。ある研究では、オークランド地域のニカウは幹部分ができるまで50年、樹齢は200年以上に達するとされている。「ニカウ」はマオリ語で、マオリがニカウをみてがっかりしたことからこの名前がついたと言われいる。↓
NZの植物8:シルバーファーン


ニュージーランドの航空の機体のロゴ、そしてラグビーのA代表オールブラックスのエンブレムにも使われているシルバーファーン。裏返すと真っ白であることを利用し、マオリ族はこれを夜間戦闘の道しるべにしたと言われている。
NZの植物9:マヌカ


ニュージーランドの定番土産・マヌカハニーの原料となるマヌカの木。
マヌカは強い木なので、実は高速道路沿いや牧草地沿いの開けた森など、意外とどこにでも見られる植物だ。この樹がたくさんある森にミツバチの巣箱を置けば・・マヌカハニーが採れるというわけ。
NZの植物10:ランギオラ


シルバーファーンみたいに裏返すと葉っぱが真っ白なランギオラ。こちらは戦闘用・・ではなく、”キジ撃ち”、つまり森で催した時にトイレットペーパー代わりに使われていたらしい。別名「ブッシュマンズ・トイレットペーパー」。使用経験談はリンク先を参照(^^;)。
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