ニュージーランドにはマオリ語の地名がたくさんある。
知られた地名だけでも、ロトルア、カイコウラ、タウポ、テカポ、トンガリロ・・挙げてみるときりがないくらい、英語ではないマオリ語独特の地名ばかりだ。
さて、よくよくそれらマオリ語の地名を見ていると、似たような名前が多いことにも気づくだろう。
たとえば、オークラランド沖合のワインで有名な島は「ワイヘキ島 waiheke island」。
ピハビーチのある山地は「ワイタケレ waitakere」。
ニュージーランドという国が始まるきっかけとなった条約が結ばれた地も「ワイタンギ waitaingi」。
そう、どの地名にも最初に「ワイ WAI」が付いている。
ワイというのがマオリ語でどんな意味を持つのだろう?
マオリ語でワイ (WAI)が付く土地はどんな場所?
さて、いきなり答えに行く前に、地図を眺めてみよう。「ワイ」その地域に豊富にある、「あるもの」を表しているからだ。
オークランド沖合、ワインで知られるワイヘキ島。
西オークランドに広がるワイタケレ。
ワイタンギは、オークランドからさらに北に車で2時間、北島の北部にある小さな町だ。
ワイタンギ条約というNZ発祥となる条約の締結地として名前が知られている。
どうだろう?そう、ワイがつく地名はどれも「海辺」の土地で、山がちな場所にあることが分かる。
WAIの意味は「水」だった
「ワイ」の答え、それは、マオリ語で「水」を指す言葉だ。
ほかにも、小川、液体、など複数の意味を持つが、そのどれもが「水」に由来している。
つまり、地名にワイがつく地名は、「海に面した土地」もしくは「水の豊富な土地」という意味をこめて、そう呼んでいたのだった。
ちなみに、ワイヘキ(waiheke)の意味はcascading water=流れ落ちる水、
ワイタケレ(waitakere)はこれも同じくcascading waterとかdeep waterで、やはり水が多い、この場合は海と川の両方を指しての意味だろう。
ワイタンギ条約の締結地、ワイタンギ(waitangi) は、tangi= weeping water、意訳すれば水のしたたる場所、やはり水の豊富な場所という意味で用いられてる。
すべてのニュージーランドのマオリ名の土地に意味があって、いくつかの単語を組み合わせた名前であることが分かる。その名の由来に思いを馳せてみると、ニュージーランド滞在もきっとさらに面白くなるのではないだろうか。
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Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる
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