夜空に広がる光のカーテン、オーロラ。
この夜空の神秘はカナダやアラスカのような北極圏に近いエリアで見られるものとしてテレビなどでよく紹介されるけれど、実をいうと北極だけでなく南極でも見らる自然現象だとはあまり知られていない。
北極のそれは「ノーザンライツ」といい、それに対して南極のものは「サザンライツ」と呼ばれている。サザンライツは見たくても一般旅行者にとってはアクセスが難しいため、自然と「オーロラと言えば北極圏」というイメージがついてしまったのだろう。
しかし、時折やってくる強いオーロラの光は、南極大陸だけでなく、そこに近い国々にも届くこともある。
そう、南極にも割と近いニュージーランドでも、運が良ければオーロラ「サザンライツ」を見ることができるのだ!先日もオーロラが見れたとニュースに上がっていたので、このニュースから「ニュージーランドのオーロラ事情」を探ってみよう。
ニュージーランドでオーロラ観測のニュース!!
2017年3月はニュージーランド中がオーロラに沸いた。
南島の最南端の町、ブラフで。

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星空世界遺産を目指す町、南島の「テカポ」でも・・

そして、驚くべきことに北島のオークランドでも!
うっすらと、地平線に沿ってオーロラの赤い光が観測された。

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南極に割と近いニュージーランドでも、オーロラを観察できるのは年に数回程度のビッグイベント。特に北島のオークランドでは見られることはほとんど無いため、2017年3月のオーロラ観測は国内で大きなニュースになった。
ニュージーランドのオーロラ事情
上の写真を見て、「ちょっとイメージしてたオーロラとは違うなぁ」と思った方もいるかもしれない。
確かにテレビで見るような虹の光がカーテンのようにうごめくオーロラではなく、ニュージーランドで観測できる「サザンライツ」は、地平線から黄色や赤の放射線が光っているような姿が一般的だ。
言ってしまえば「ちょっと地味」なオーロラだけれど、年中見ることができる上、北極圏ほど寒くはないのでジャケット一枚羽織れば観察できるのもニュージーランドならではだろう。
ニュージーランドでのサザンライツ観測は予測が難しく、また年に数回あるかないか程度の”運任せ”のイベントのため、現地でもツアーなどは開催されていない。あくまで当日の星空観察で出会えたらラッキーな存在のようだ。
ちなみに、サザンライツは通常下の方から緑、黄色、赤となっている。そのため南島最南端のブラフでは全色見ることができ、オークランドではサザンライツの先端部にあたる赤色だけが見える。
NZのオーロラは、いつ、どこで見るのがベスト?
「ニュージーランドでオーロラを見てみたい!」と思ったら具体的にいつ、どこに行けばいいのだろう?
調べてみると、「季節」「天候」「街や月の光」「緯度」の4点を踏まえておくと見れる確率は上がりそうだ。
- 季節:基本的にサザンライツは年中発生している。それでも冬の時期(3~9月ごろ)は夜が長く観測には向いている。
- 天候:オーロラは100km以上の上空で発生するので、当然ながら晴れていないと見ることはできない。
- 街や月の光:とにかく暗ければ暗いほどいい!ので、満月よりも新月、そして街の光が一切届かない場所がいい。
- 緯度:南であればあるほど南極点に近いので、観測できるチャンスは増える。
これらを踏まえると、やはり南島の下にあるスチュアート島や、星空世界遺産を目指す町テカポ、最高峰のあるマウントクック国立公園などが候補に挙がってきそうだ。
オーロラ予報を活用しよう
面白いことに天気予報と同じように「オーロラ予報」というものがある。
オーロラはそもそも宇宙からの太陽風が地球の大気と接して発光する現象なので、太陽の活動を観測すればある程度オーロラの発生が予測できるというわけだ。
サザンライツの予報はsoftservenews.comというサイトのAurora Forecastで確認することができる。
オーロラ予報のサイトや予測方法については別の記事にまとめてみよう。
追記:オーロラの予報サイト2選をまとめてみた。
Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる
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