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NZ北島で山小屋一泊のトレッキング!ワイカト最高峰「マウント・ピロンギア」

NZ北島で山小屋一泊のトレッキング!ワイカト最高峰「マウント・ピロンギア」

ここ最近NZ北島の各地域の最高峰を登ろうとテーマを持ってトレッキングをしている。
前回までに「オークランド最高峰」と「ノースランド最高峰」にのぼったので(後者は敗退したが苦笑)、今回はハミルトンや土ボタルのワイトモケーブのある「ワイカト地域の最高峰」にのぼってきた。

山の名前は「マウント・ピロンギア」、標高は959m。
見た目は独立峰で美しいこの山だけど、入ってみると鎖場あり、泥道ありのなんともアドベンチャーなコースだった。往復12時間もかかった登山の様子を、写真もたくさん使ってお伝えしていこう!

ワイカト最高峰「マウント・ピロンギア」

ワイカトのピロンギア・フォレスト・パークへ!

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ニュージーランドでは、日本の県にあたるのはディストリクトDistrict と呼ばれる単位で、それぞれのディストリクトに名古屋、仙台みたく中心となる街がある。北島北部にあるハミルトンを中心としたワイカト・ディストリクト(長いので以下「地域」)は農業の盛んな地域で、一面に平野が広がっている。

そんな平野にドンと腰を下ろす山が、今回僕が登った「Mt.Pirongia」だ。
地図ではPirongia Forest Parkという森林保護区で、ピロンギア山はいくつもある峰の中心部に位置する最高峰。四方から頂上を目指すトレッキングコースが伸びており、今回はループコースになっていて“最もポピュラー”と紹介されていた、Tirohanga&Mahakura Trackを歩くことにした。

往路はTirohanga Track(6時間半)。最高峰の景色がすごい!

ピロンギア山登頂を目指して、いざトレッキング!妻もつれて行ったのだが・・

 

往路にのぼったのはティロハンガ・トラック(Tirohanga Track)。DOC(環境省)のHPによれば、片道3~5Hとあったので、朝はちょっとゆっくりに11時ごろに登山口を出発した。5時間かかったとしても、日没までには十分に時間がある計算だ。

ピロンギアはちょっと変わった森で、ニュージーランドの中でもタワ(Tawa)と呼ばれる葉の細い木が最も優先する森とされている。実際歩いてみると本当にタワばかり。葉が細いからか、木漏れ日も多く、優しい雰囲気が感じられる。

タワの木が優先するふもとの森(ピロンギア・フォレストパーク)
tawaの葉。線が細く、柔らかい。

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じわじわと標高を上げていくと、面白いことに木々にも変化が出てきた。ふもとではこれでもか!とあったタワの木が見事になくなって、ペパーツリーと呼ばれるホロピト(Horopito)やマウンテン・ネイネイ(mountain neiei)が優先する森になって、雰囲気もがらりと変わった。苔が多くなり、雨が多いのか道も泥だらけだ。BushyでMuddy。いかにもキーウィ(NZ人)が好きそうなコース仕様だ。

マウンテン・ネイネイ
標高が上がるにつれて、道も泥&ブッシュで険しくなってきた!
往路の途中の見晴らし!ワイカトの平野が一望できる

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泥濘に気を取られすぎたのか、やっとピロンギア山頂上と山小屋についたのは登り始めから6時間半もたった午後5時30分ごろ。冬だったのでこの時間帯が日没で、森の中はほとんど真っ暗という有様だった。僕も、相方もくたくた・・・「山頂の展望は明日!」とさくっと頂上を抜けて、なんとかベッドを確保しようと、山小屋に入っていった。

ピロンギア山頂上からの夕焼け。

山小屋「Pahautea Hut」。冬なのに超満員!

頂上から20分ほどで着いた山小屋(ハット)Pahautea Hut。ここは新旧ハットが同居している珍しいハットで、定員6名の小さな旧ハットの隣に、比較的おおきな定員20名の新ハットが建っている。カテゴリーはスタンダード・ハットで、いわば“普通の山小屋”だ。マットレスや蛇口はあるが、備え付けのガスや灯りはない。

ピロンギア唯一のハット、頂上のpahautea Hut

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着いてみると、何やら湿度で曇った窓ガラスの向こうにたくさんの人が・・
なんだかちょっと嫌な予感がしながら入ってみると、まさかまさかの超・満・員!どう見てもすでに20名はいる。真冬の知名度の低い山で、まさかこんなに人がいるとは・・・聞き込みをしてみると、空きベッドはないものの、何人かは自前のエアマットを使っているからマットレスの余りはちょうど2つあるとのこと。僕らはなんとかその最後のマットを確保し、騒がしいキッチン兼ロビーで寝ることになったのだった・・汗。

そのあと、真っ暗になってからもさらに2組の登山客がやってきて、マットレスがないことに皆一様に驚き、結局はロビーの至る所に雑魚寝するようなゴチャゴチャ感いっぱいな宿泊となった。まぁ、これはこれで貴重な体験だと思えば、結構面白かったかな・!?

復路Mahaukura Track(6時間)。6~7つのピークを超えるジェットコースターコース

翌朝も見事に晴れ。
しっかり寝れたとは言い難かったけれど、皆が起きだした7時ごろに僕らも起きだし、オートミールの朝食をとって出発した。頂上の展望台から改めて今日下るMahaukura Track方向を見てみると、序盤はかなりアップダウンが激しいようだ。地図でも少なくとも6~7つは小さなピークがあり、もれなくその頂上を通るコースになっている。

ピロンギア山2日目。ほかの登山者が前方をいく
ピロンギア山の下り。根っこの張り出しも多い。

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道は相変わらずのドロ道で、実は”マディー・ラバー(泥好き)”の僕にはたまらないコースだった。泥の中から瞬時に足場となりそうな箇所見つけて、泥の海を通り抜けていく。根っこの張り出しも多くてちょっと大変だったけれど、小ピークをやっつけると後は下るだけになり、だんだんとタワの木が増えて最初の優しい森に戻っていった。

結局往復に12時間以上かけて、ピロンギア山を無事に登頂。1000mに満たないながら、鎖場、ブッシュ、泥道とかなり癖のある面白いコースだったと思う。頂上の景色はさすがの一言。ハイキングではなくトレッキング・トランピングコースと呼びたい上級コースだけど、この素晴らしい山を味わいたい方はぜひチャレンジしてみてほしい。

コース詳細は以下の通り。

マウント・ピロンギア
(DOC(環境省)の紹介ページはこちら

【タイム&距離】
往路:Tirohanga Track(6.5km、6時間)※DOCのコース紹介では3~5時間
復路:Mahaukura Track(9㎞、6時間)※DOCのコース紹介では4~6時間
 
【コース内標高差】
752m
 
【獲得標高(※上り下りの合計)】
1863m

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ABOUT THE AUTHOR

園芸/造園/個人ガイド/コラム外山みのる
ニュージーランド(オークランド)在住。20歳でNZワーホリ後、海外自転車旅や山小屋バイト等を経て再びNZへ。移住を目指して家族で奮闘中。お仕事は園芸や造園、個人ガイド、コラム執筆。

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