毎年8月のある日になると、ニュージーランドでは胸に黄色い花をつけた人たちが街を行き交う。
皆が胸に着けている黄色い花は、春を知らせる花・ラッパ水仙。この日ばかりはお花屋さんや路上の売り子たちがラッパ水仙の切り花を売り、園芸店では鉢植えが店の一等地に置かれている。
ニュージーランドに旅行やワーホリでやってきて、この日に遭遇する人も多いはず。ラッパ水仙がNZ中に咲き乱れるこの日は、いったい何の日なんだろう?そしてどうしてラッパ水仙が使われるんだろう?今日はそんなことを記事にしてみよう。
8月最終金曜日は、ラッパ水仙の日(Daffodil Day)。NZ最大級の癌の撲滅キャンペーン
さっそく答えから入ってみよう。
ニュージーランドでラッパ水仙が使われるイベントは、Daffodil Day(ダフォーディル・デー)と呼ばれ、ニュージーランド最大級のガン撲滅運動のチャリティー活動が行われる日だ。
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実に3人に1人が何らかの形でガンと関わっていると言われるニュージーランド。
紫外線も多く、皮膚ガンが多いお国柄でもある。
そこで、The Cancer Society of New Zealand(NZガン協会)は毎年8月の最終金曜日をガンを考える日と位置付け、ガンの啓もう活動や研究開発のための資金調達を行っている。
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街中でラッパ水仙を売っているのはガン教会に賛同したボランティアたち。
このお花の売り上げがガンの撲滅に一役買うとあって、多くの人がお花を買ったり、募金をしたりしている。募金をすると胸にラッパ水仙をつけてもらえるというのは、まるで日本の「赤い羽根募金」みたいだ。
どうしてラッパ水仙が使われるの?
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ラッパ水仙(ちなみに読みはズイセン)の英語名・Daffodilの語源は”早く来るもの”。
その名の通り、ラッパ水仙は早春に咲く花だ。
ちょうどこの記事を書いている8月は、NZはやっと春の足音が聞こえてこようかという季節で、いたる所でラッパ水仙が見られる。
ラッパ水仙は春を呼ぶ花、そこから転じて「希望」を象徴する花として、ガンのチャリティー活動のシンボルとして使われているようだ。
お茶の間で流れるラッパ水仙の日のCM
ニュージーランドでは8月の末が近くなると、こんな感じのコマーシャルが頻繁に流れるようになる。
この国最大級のチャリ―ティー活動である「ラッパ水仙の日 Daffodil Day」。もし街中で売り子を見かけたら、せっかくだから手持ちのコインを募金してみてはいかがだろうか。
Daffodil day 公式ページはこちら
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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