ニュージーランドの北部には、世界最大級とも言われる巨木がある。カウリと呼ばれるナンヨウスギ科の植物で、高さは最大で50m、胴周りは16メートル、樹齢は2000年以上にも達することで知られている。胴周り16メートルというと、大人10人がかりでなんとか囲えるサイズ。そんなのが森の中にある景色は、ちょっと想像を絶する、”異様”とさえいえる雰囲気がある。
最もよく知られているのはNZ北島北部、ワイポウア・フォレストにある“森の神”タネ・マフタと、”森の父”テ・マツア・ナヘレだろう。タネ・マフタは日本の屋久杉と姉妹木協定を結んでいることでも知られている。
しかし、そのNZ最大の2本以外のカウリはどこにあるのかと調べてみると、これが日本語情報では見つけることができなかった。英語サイトにはトップ10リストがあったので、ここではそのリストを公表してみよう。みなさんはいくつご存じだろうか?
ニュージーランド カウリ巨木ランキングTOP10
順位 | 名前 | 容積(Volume/㎥) | 胴まわり(Girth/m) | 幹の長さ(Trunk height/m) | 樹高(Total Height/m) | 場所 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | タネ・マフタ Tane Mahuta | 244.5 | 13.77 | 17.68 | 51.5 | Waipoua |
2 | テ・マツア・ナヘレ Te matua Ngahere | 208.1 | 16.41 | 10.21 | 29.9 | Waipoua |
3 | マクレゴー・カウリ McGregor | 170.6 | 13.69 | 12.25 | 40.8 | Waipoua |
4 | Te Tangi o te Tui | 155.1 | 12.38 | 13.10 | 50.9 | Puketi |
5 | Moetangi No.1 (Ward Kauir) | 149.0 | 11.21 | 20.03 | 49.0 | Warawara |
6 | Tanenui | 135.7 | 10.08 | 18.29 | 47.2 | Coromandel peninsula |
7 | ヤカス Yakas Kauri | 134.2 | 12.29 | 12.04 | 43.9 | Waipoua |
8 | Hokianga Kauri | 131.1 | 9.58 | 20.73 | 53.3 | Omahuta |
9 | Tairua | 128.3 | 9.78 | 22.86 | 49.7 | Coromandel peninsula |
10 | Moetangi No.1 | 118.5 | 10.62 | 11.44 | -(不明) | Warawara |
最大・最長・最年長はどのカウリ?
カウリの大きさは単純な高さではなく、その容積(㎥)で比較されている。その意味でのNZ最大のカウリはランク1位のタネ・マフタで、2位のテ・マツア・ナヘレは高さこそないが胴周りは16.41mとニュージーランド最大だ。樹高のトップは面白いことに全体では8位のホキアンガ・カウリで、53.3メートルと最長となっている。また、ほとんどは柵がしてあり触れない、もしくは一般の立ち入りそのものが禁止されているものの、例外的に7位のヤカス・カウリだけは触れるカウリとして知られている。
ちなみに、以下に挙げるようにコロマンデル半島からも2本ランク入りしているが、残りはすべてワイポウアとその周辺の森に残ったカウリのようだ。
コロマンデル半島からも2本ランク入り
あまりカウリのイメージがないものの、コロマンデル半島も貴重なカウリの生育地だ。全体のトップ10にも2本がランクインしていて、6位のタネヌイと9位のタイルアが食い込んでいる。
オークランドからも比較的近く、いい観光スポットになりそうなものだけど、どうしてあまり知られていないんだろう?環境省に電話で確認してみたところ、
「カウリ・ダイバックという病気が蔓延する心配があり、予防として一般の立ち入りは禁止にしている。」
とのことだった。この先もおそらく一般の公開はなさそうだから、やはりカウリが見たいならワイポウアまで足を運ぶしかなさそうだ。
ランキング表の引用:Te ARA: The 10 Living Largest Kauri
Last Updated on 2016年12月10日 by 外山みのる
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