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映画ロードオブザリングの『滅びの山』に日帰りで登る方法

映画ロードオブザリングの『滅びの山』に日帰りで登る方法

ニュージーランドには14の国立公園がある。その中でニュージーランド最古の国立公園と言われているのが、北島にあるトンガリロ国立公園だ。夏はトレッキング、冬はスキーと、年間を通してたくさんの観光客が訪れる北島随一の観光スポットとなっている。

実はそんなトンガリロ国立公園は映画のロケ地としても有名で、あの大ヒット映画『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地として数多くのシーンに登場している。

主人公フロドが指輪を投げ入れるあの名シーンの舞台・『滅びの山』。
これもトンガリロ国立公園の山で撮ったもので、本来の名は「Mt.Ngauruhoe(ナウルホエ山)」という。

作中では過酷そうな山だが、実は誰でも山頂まで登ることができることはあまり知られてない。このページでは、どうやったら登れるのか、アクセスや、ルートなど簡単な概要をご紹介しよう。




トンガリロ・クロッシングを歩こう!

左奥が滅びの山こと、ナウルホエ山。レッドクレーター側から撮影した写真

 

トンガリロ国立公園には、グレートウォークになっている「トンガリロ・ノーザン・サーキット」と、デイウォークの「トンガリロ・クロッシング」という2つの有名なコースがある。(違いについては以前説明したので、そちらをどうぞ)

「グレート・ウォーク」というのがニュージーランドにある。 数あるトレッキングコースの中でも、特に景観の優れてい…

肝心の『滅びの山=ナウルホエ山』へは、上記2つのコースどちらでも行くことができる。ただ、より簡単にアクセスするのは一日で行って帰ってこれるトンガリロ・クロッシングのほうだ。クロッシングのコース自体は山頂を含まないので、途中で自分で時間を作って山頂までピストンをするわけだ。

トンガリロ・クロッシングへのアクセスを確保しよう!

さて、トンガリロ・クロッシングは一方通行なので出発地点と出口が別々で、自家用車でのアクセスは難しく、ほとんどの登山者はシャトルバスを使って登山口に向うことになる。だから、クロッシングをするには、まずはふもとの町(whakapapa)から登山口までの送迎バスを確保することが第一だ。

この往復チケットつきの送迎バスは、国立公園内の宿泊施設が集う町「whakapapa village(ファカパパ・ビレッジ)」のビジターセンターで申し込むこともできるし、周辺の宿泊施設も独自に送迎サービスを持っているだろうから利用してみてもいい。前泊の宿を確保するときに、セットにして予約しておくといいだろう。

例えば ファカパパ内にある宿泊施設
Whakapapa Holiday park や、
トンガリロ国立公園の敷地のすぐ外側にある町「national park」にある宿泊施設
YHA National Park
などは安宿ながらシャトルバスサービスもしていて便利。

トンガリロ・クロッシングで「滅びの山」へ!

赤い線がトンガリロ・クロッシング。左から右上に向けて歩く。

 

クロッシングで滅びの山(ナウルホエ山)に登るには、以下のようなポイントを経由していくことになる。

クロッシング中の見どころ/目印の順番を並べると・・

  • 1.mangatepopo Hut (山小屋マンガテポポ)
  • 2.Soda springs (急登が始まる前に見れるちょっとした滝)
  • 3.サイドトリップ:滅びの山(ナウルホエ山)
  • 4.South Crater (ナウルホエ山ふもとのクレーター)
  • 5.Red Crater (コースの最高地点)
  • 6.Emerald lake
  • 7.Ketetahi Old Hut(旧山小屋ケテタヒ)
  • 8.ゴールの駐車場

”滅びの山” ナウルホエ山へのサイドトリップの入口は4(サウス・クレーター)のすぐ手前にある。2のsoda springsのあたりからナウルホエ山に取り掛かるような急登が始まり、ある程度登り終えて、いざ4のだだっ広いクレーターが見える直前にぽつんと標識が立っている。

ナウルホエ山へのサイドトリップは往復2.5~3時間
山頂はガスがかかりやすいものの、映画の中でフロドとサムが登るのに苦戦したような、ナウルホエ山に折り重なるようにつみあがった溶岩の上を歩くことができる。クロッシングと合わせるとけっこうキツイ行程だから、きちんとした準備や装備を整えてから向かおう。

滅びの山だけを登りたい場合は。

P3268562 トンガリロ ナウルホエ 滅びの山
滅びの山ことナウルホエ山。まるで富士山のような容姿だ。

 

トンガリロ・クロッシングとナウルホエ山頂サイドトリップを合わせると合計10時間くらいになってしまうから、これはいわば上級者向きの計画と言ってもいい。

そこで、もっともっと簡単に登る方法として、スタート地点⇔ナウルホエ山の往復という方法がある。

トンガリロ・クロッシングは、自家用車でスタート地点・ゴール地点にいくこと自体はなんの問題もない。ただ単に入口と出口が違うため、利便性の観点から皆シャトルバスを利用するだけだ。この方法なら往復約7時間で、登山にあまり自信がない人でもなんとか登頂できるだろう。

これは実は、僕が実際にトンガリロ・ノーザンサーキットを歩いた際に、何名かの「ナウルホエ山だけ登りに来た登山者」に会ったことから知った、ちょっとした”裏ワザ”だ。彼らはほかの登山者と同様にスタート地点から入って、ナウルホエを登頂したら、同じ道を戻ってスタート地点まで帰っていく。そういう方法もあるんだなぁと妙に感心してしまった。ガイドブックには絶対に載らない方法だろう。

くれぐれも装備はしっかりと。あとは当日晴れることを祈って、滅びの山を目指してみよう。

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Last Updated on 2022年9月20日 by 外山みのる

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