オークランドで自然を楽しみたいと思ったら真っ先に候補に挙がるのは、沖合の島「ティリティリ・マタンギ島」だ。
ここはニュージーランドで絶滅の危機に瀕する鳥たちを野生の状態で見られる鳥類保護の島。軽いハイキングもできて一日中遊べる、NZ屈指の観光スポットとしても知られている。
この記事では、ティリティリ・マタンギ島の概要と、おススメのトレッキングコースをマップで紹介してみよう。
ティリティリ・マタンギ島って?
オークランドのフェリー乗り場から専用フェリーで約75分の海上に浮かぶ小さな島『ティリティリ・マタンギ島 (Tiritiri Matangi Island)』(略してティリ島。)
ここはDOC(環境省)の管轄する鳥類保護区になっており、本島ではすでに絶滅してしまった貴重な鳥たちが数多く生息していることで知られている。まずは島の公式紹介動画を見てみよう。
ティリ島のおもしろさは、そのユニークな経歴にある。
実はティリ島は、わずか数十年ほど前までは草原が広がる放牧地だった。先住民族マオリの時代から数百年にわたって人が暮らしてきたため、1970年代まではまったく鳥の気配の無い“ハゲ山”だったのだ。環境を守ろうと立ち上がったオークランド市民と環境省によって保護活動が始まり、30万本もの植林がされて、現代では見違えるほど豊かな森が広がる島になったのだった。
ティリ島には海流の影響でNZの鳥の天敵であるイタチやネズミなどの小型の哺乳類が渡ってこれない。そのため、自然の戻ったティリ島には多くの絶滅危惧種が繁殖のために放たれるようになった。
そんな経緯をへて、現在ではキーウィやタカへをはじめとした、本島に多種多様な鳥や生き物たちが見られるようになり、一般市民でも気軽に立ち入れる珍しい保護区としてガイドブックに載るまでになったのだ。ティリ島は、貴重な鳥類だけでなく、ニュージーランドの自然の歴史が丸々パッケージされている。NZを学ぶにはこれほど素晴らしい観光地は他にないのではないだろうか。
ティリティリ島のトレッキングマップ
さて、ティリ島について語りだすと長くなってしまうのでこれくらいにして、本題の島のトレッキング地図を見てみよう。
フェリーが一日一便しかなく(09:00オークランド発 – 15:30ティリ島発)、また島の隅っこに灯台や売店があるため、必然的に歩けるコースは限られてくる。また、貴重な鳥たちのいる場所もやや偏っているので、リピーターの方をのぞいては下記の地図で紹介するコースを歩くのが正解となると思う。
まず、ティリ島の全体地図。
一般的なコースは、船着き場からティリ島の中央部を時計回りに歩くコース。コース名を書いてみると・・
- 船着き場(Tiritiri Wharf)地図の左下のほう
- Hobbs Beach Track
- Kawerau Track & Totara Track
- Cable Track(もしくは、Ridge Road)
- 灯台&売店(Lighthouse & Visiter Centre)
- Wattle Track
- 船着き場へ戻る
ボランティアによるガイドツアーに申し込むと、1~5までを2時間程度で案内してくれて、灯台で解散となる。その後、売店周辺のベンチでランチをとって、6.Wattle Trackを自分で散策しながらフェリー乗り場まで下りていくのが、一般的で、且つ鳥が一番見られるコースだろう。
飛べない鳥「タカへ」が見れるのはティリ島のどの辺り?
上の地図には、タカへを含めてティリティリ島で見れる主なNZ固有の鳥たちがよく見られる場所を載せてみた。
おそらく多くの人のお目当ては、飛べない鳥の「タカへ」だろう。
タカへが見られるのは、ほとんどの場合灯台の周辺。タカへは芝生の上にいることが多く、灯台と売店周辺の広い芝生エリアのどこかにタカへのファミリーが住んでいる。人がたくさんいるとシャイなタカへたちは茂みに入ってしまうので、姿が見えなかったら、まわりの人に「タカへ見なかった?」と聞いて回るといいと思う。
ティリ島ではコカコやブルーペンギンも見れる!
あまり知られていないのが不思議でならないけれど、ティリ島にはペンギンもいる。
船着き場からすぐのHobbs Beach Track沿いにガラス蓋のついた人口のペンギンの巣がいくつもあって、かなり高い確率でブルーペンギンを見ることができる。また、島には他にも本島ではめったに見られない鳥、たとえば「コカコ」や「カカリキ(キガシラ アオハシインコ)」などもいる。かなり運が良ければ恐竜の生き残りと言われる「ツアタラ」や世界一重たい昆虫「ジャイアント・ウェタ」も見れるかもしれない。
ガイドの話を聞きながら(ものすごく熱心に教えてくれるので英語が聞き取れるなら必ず参加しよう)、島の隅々にまで目を配りながら歩いてみよう。きっと誰もがティリ島の大ファンになってしまうはずだ。
ティリ島の公式HPはこちら(英語)Tiritiri Matangi Open Snctuary
ティリ島へのフェリー予約はこちらから(英語)
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