オークランドの沖合にあるティリティリ・マタンギ島(Tiritiri Matangi Island)。
この島はニュージーランドで絶滅の恐れのある貴重な鳥たちが飛び交う、“鳥の楽園”だ。
この記事では、ティリティリ島に行ったら見ておきたい鳥たちを10種類挙げてみよう。
1.タカへ
ティリティリ・マタンギ島(以下、ティリ島)と言えばこの鳥、と言ってもいいくらい、ティリ島の顔として人気のあるタカへ。
ニュージーランドを代表する飛べないクイナ科の鳥で、NZにしかいない固有種。また、一度は絶滅したとさえ思われたのちに保護された経歴もあほど貴重な鳥だ。ティリ島にはおおよそ5-10羽程度が暮らしている。島のどこで見られるかは別の記事にしたので、リンク先を見てみてほしい。
2.コカコ
Kokako。和名はハシブトホオダレムクドリで、こちらも固有種にして絶滅危惧種。
島のボランティア・ガイドたちの間では、一番人気のタカへよりも「見れたらラッキー!」と言われていて、ガイドツアー中に見つけると参加者全員が息をひそめてコカコを観察する(ティリ島の鳥探しはこの瞬間が面白い!)。
本来は森の高いところに生息する鳥だが、ティリ島の森の多くは植林された再生林なので全体的にまだ低く、間近で見ることができる。哀愁漂うフルートのような透き通った鳴き声が特徴的。
3.ブルーペンギン
世界最小のペンギン、ブルーペンギンも見られる。
NZ全土が生息域でオークランドにも分布しているが、人口が多い本島の海岸には寄り付かず、ワイヘキ島やティリ島などの沖合の島にて営巣している。
島の船着き場のそばにいくつか人工巣箱があり、天井にガラス蓋があるので誰でも巣の中を観察できる。冬から春にかけて産卵・子育てがあり、また夏~秋には換羽のために2週間ほど巣に閉じこもる。が、基本的にティリ島では通年見られると言っていい。
ブルーペンギンが狩りを終えて巣にもどってくるのは、夕方~夜にかけて。島のバンクハウスに泊まれば、かなりの確率で夜の島をほっつき歩くペンギンに出会える。
4.スティッチバード
スティッチバード(Stichbird)、Hihi=Hihi=ヒヒと言い、現地では「ヒヒ」の名の方がよく使われる。本島ではすでに絶滅してしまったとても貴重な鳥だが、ティリ島ではそこかしこで見ることができる!数少ないミツスイの仲間で、島に設置されたバードフィーダーの前でじっとしていれば、「スティーッチ!!」という甲高い機械音のような鳴き声が聞こえてくる。
5.カカリキ
ニュージーランド固有のインコで、カカリキとはマオリ語で「緑」の意味。カカリキは三種類が確認されていて、頭の羽の色の「赤」「黄色」「オレンジ」で分別されている。ティリ島にいるのは「赤」だ。
派手な鳥だけど、「ケケケケケケケケケケ・・!!」という壊れたアラームのような鳴き声もかなり派手で、姿よりも先に鳴き声で見つけることが多い。
6.サドルバック
サドルバック(Saddleback)、和名はセアカホオダレムクドリ。サドルバックという名前は、背中の赤茶色の羽が馬のサドル(人が乗る部分)に似ていることから付けらえた。
本島では一度絶滅したが、近年になってようやく一部の保護区に繁殖するようになった貴重な鳥。
NZ独自の「ホオダレムクドリ科」の鳥はコカコとサドルバックしかおらず、昔はフイアというのがいたがこちらは絶滅してしまった。
カカリキと似たようなけたたましい「ケケケケケケ!」という鳴き声はかなり遠くからでも聞こえ、鳴き声で居場所を知ることができる。
7.ホワイトヘッド
スズメほどの大きさのホワイトヘッド(Whitehead)。和名はシロモフアムシクイ。名前の通り頭が真っ白なのが特徴的。
群れで行動していて、仲間と常に連絡を取り合うのか、小さな声で鳴き交わしながら森を移動する。すばしっこく、なかなかみつけにくい。
8.ニュージーランド・ロビン
個人的にはとても好きな鳥、ニュージーランドロビン(NZ Robin)。和名はニュージーランドコマヒタキ。
森を歩いていると人の後を追うように飛んでくる。
ティリ島でロビンに出会ったら、試しに近くの地面の落ち葉を足でかき乱して、ちょっと離れてみてほしい。きっと食べ物を探しに、ロビンがその地面のところまで降りてきてくれるはずだ。
9.ベルバード
ベルバード(Bellbird)、和名ニュージーランドミツスイ。名の通り素晴らしい歌声の持ち主。
ニュージーランド全土に分布しているが、オークランド地域やクライストチャーチ周辺では絶滅してしまっている。
ティリ島ではバードフィーダーによく遊びにくる鳥なので、比較的見つけやすいはずだ。
10.ファーンバード
知る人ぞ知る名鳥、ファーンバード(Fernbird)、和名シダセッカ。
僕はティリ島で「ファーンバードを見にわざわざ来たの。」と言っていたニュージーランド人観光客に会ったこともある。ニュージーランド固有種で、飛ぶのが苦手。いつも茂みの中に隠れているのでめったに見ることができない。ある意味、ティリ島で最も見つけにくい鳥かもしれない。
そのほか、ティリ島に一泊すれば「リトル・スポテッド・キーウィ」というキーウィの一種も見ることができる。もし時間と予算に余裕があれば、島のバンクハウスに宿泊してみるのもきっと面白い経験になるはずだ。
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Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる
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