NZの飛べない鳥の代表格の一種、「タカへ」。
和名でもそのままタカへと呼んでいる、クイナ科の仲間で、体重は最大4kgにも達する大型の鳥だ。
さて、このタカへ、どうやら一千万年前にニュージーランドにやってきて、天敵がいないことから飛べなくなったと言われているが、実は現代でもその進化の前の「飛べるタカへ」に会うことができる。いったいどんな鳥なんだろう?それはNZに行ったことがある方なら一度は見たことがある、”あの鳥”だったのだ。
そもそも、NZの飛べない鳥・タカへって?
ニュージーランドの飛べない鳥としてガイドブックにも載っている「タカへ(takahe)」。
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タカへはNZの生物進化の代表選手のような鳥だ。オーストラリアから飛んできたのがおそよ一千万年前。その頃のニュージーランドはまだ人間がおらず、太古のままの自然が広がっていた。以前も書いたように人間どころか一切の哺乳類もいなかったので(コウモリをのぞく)、タカへは飛ぶ必要がなくなり、次第にフライトレスになっていった。
一方、タカへがNZの地で次第に翼を退化させていたころ、オーストラリアに残っていた”タカへの先祖”たちは、熾烈な生存競争の中で飛べる体をキープしていた。こうして、同じ種だった鳥は、環境の違いから一方は飛べなくなり、一方は翼をもったまま現代まで生き残ってきたのだった。
タカへの先祖は今もニュージーランドに!
今から1,000年ほど前に、“タカへの先祖”の鳥たちは再びオーストラリアからニュージーランドに飛んできたらしい。彼らはNZに天敵がいないことが分かったものの、わずか1000年という期間では進化するには不十分だったようだ。
この、現代でも飛べる”タカへの先祖”に、マオリ族が付けた名前、それは・・
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「プケコ(Pukeko)」
2つの写真を見比べてみると、大きさは違えど瓜二つであることがわかる。プケコはニュージーランドではごく普通に見られる鳥で、ちょっとした公園や川沿いの芝などでもよく見かける。彼らはちょっと追いかけたくらいでは飛ばず、たいていは走って逃げるのが興味深い。きっとオーストラリアの個体も、翼があって飛べるのに基本的に歩くのが好きなんだろう。そんな彼らが天敵のいない島にやってきたら・・翼をもっていることに忘れてしまうのも、無理はないような気がする。
参考ウェブサイト
・Bird Online – Pukeko & Takahe
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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