ニュージーランドには2種類の猛禽がいる。
固有種の「New Zealand Falcon :ニュージーランドハヤブサ(以下、ファルコン)」と、在来種の「Australasian Harrier :ウスユキチュウヒ(以下、ハリアー)」がそれだ。同じ猛禽ということで混同しがちなこの2種類は、どうやって見分けたらいいんだろう?今日はざっくりと”ニュージーランドに住む猛禽類の見分け方”について書いてみたい。
ファルコンは翼を水平に、ハリアーはVの字にして飛ぶ
一番簡単な見分け方は、その飛び方を観察することだろう。
NZ固有種のファルコンは滑空するとき翼を水平にして飛び(こうすることで速度を上げ、獲物に襲い掛かる。最高速度は時速180キロ!!)、
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ハリアーは翼をちょうどVの字型にして、空高くをまるでトンビみたいにゆらゆらと旋回する姿がよく見られる。
小さなファルコン、大きなハリアー
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また、飛んでないときは体のサイズがいい判断材料になるだろう。
ファルコンの体長は約45cm、対するハリアーの体長は55cm。
日本の鳥でいえば、ファルコンはカモメ大の大きさで、ハリアーはカラスと同じか少し大きいくらいのサイズを想像してみよう。
「NZで猛禽を見た!」→ほぼ9割はハリアー!?
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例えば「ニュージーランドでレンタカーを運転していたら、道端の動物の死骸を食べる猛禽に出会った!」とか、
「日帰りでいけるトレッキングコースを歩いていたら、のんびり弧を描いて飛ぶ猛禽がいた!」等々、
NZ旅行中に猛禽に出会うことはよくあると思うけど、これらは十中八九「ハリアー」の方だろう。
ちょっと元も子もないことを言ってしまうと、NZ固有種のファルコンは絶滅が心配される種で、見られるのはかなり稀だ。生息数は約8,000羽以下、生息域も原生林が主なので、ファルコンは「探すつもりで」原生林を歩かないとなかなかお目にかかれないと言っていい。
それだけに、もし本当に野生のニュージーランド・ファルコンを見ることができたなら、キーウィ遭遇に匹敵するめずらしい体験になる。NZの猛禽2種類の識別方法をしっかり覚えて、ニュージーランドの自然にお邪魔してみよう。
※ちなみに、「在来種」というのはもとからその国に分布しているが、他国にも分布している種のこと。「固有種」はその国にしか生息しない種類。本稿では登場しないが「外来種」は人の手で持ち込まれ繁殖している種を指す。
Last Updated on 2022年9月26日 by 外山みのる
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