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マオリ族も食べていた!?ニュージーランドの森で採れる山菜7選

マオリ族も食べていた!?ニュージーランドの森で採れる山菜7選

ニュージーランドのトレッキングコースは、日本のそれに比べてずいぶんと長いものが多い。人気が高いグレートウォークスを筆頭に、NZでは数日かけて歩く縦走コースが主流だし、なかには国を南北に3000キロ縦断するテ・アラロアなんて究極のコースもあるくらいだ。

さて、そんなニュージーランドの長い山歩きにおいては、少しでも道中の”お楽しみ”を持っておきたいところ。山頂からの景色だけではない、森の中で見つけられる小さな喜び。そう、それが「山菜採り」だ。ニュージーランドの森では食べられる植物も多く、かつて森に生きたマオリ族の知恵も借りれば、森は食材の宝庫にさえなりうる。この記事では、少なくとも僕が(北島の森で)実際に食べたことのある、割と簡単に見つけられる森の山菜を紹介していこう。

NZ森の山菜1:ママクのコル(ブラック・ツリー・ファーン)

black tree fern - mamaku
Mamaku – back tree fern photo by gold ridge journal 

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NZの森と言えば、特徴的なのが恐竜時代を思わせるような背の高いシダの木だろう。Tree fernと呼ばれるシダの木はたくさんの種類があるのだが、そのなかでも一際背の高い、幹や葉の付け根が真っ黒なMamaku(ママク)=Black tree fernの新芽の部分(コルと呼ばれる)は食べることができる

以前食レポを記事にしたことがあるが、僕は造園作業中にやむなく切り倒したママクを食べたことがある。水で煮たりフライパンで焼いたりしたのだが、味はジャガイモのようなほっこりもっちり味で、「これシダの新芽なのか!?」といい意味で驚いてしまった。

コルを伐ったとしてもまた次がそのうち生えてくるのでご安心を。もし実際に試してみたい場合は、トレッキングコースから離れた場所にあるママクから頂戴してみよう。なお、生で食べると発がん性物質が含まれてしまうので、必ず煮たり焼いたりして調理するように注意しよう。

このニュージーランドの地に約1000年も前から住み続けている民族、マオリ族。先住民であった彼らは森に生き、鳥や植物などあらゆる食材を駆使して生活をしてきたと言われている。さて、そんなマオリ族の食材の中でも、ひときわ大きく奇抜な食べ物がある。ニュージー...

NZ森の山菜2:ピコピコ

pikopiko
ピコピコ(hen and chicken fern)photo by Flicker

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ピコピコ。なんともかわいい名前のこのシダは、約200種類もあるニュージーランド自生のシダの一種だ。一般的にはマオリ名のピコピコよりも、英名の「ヘン・アンド・チキン・ファーン」で呼ばれることが多い気がする(ただ長いのでこの記事ではピコピコで笑)。このピコピコ、見分け方は一目瞭然、写真のように、葉っぱの先々から「子どもシダ」が生まれているからすぐに見つけられるだろう。葉っぱは全体的に黄緑色、やや光沢があって、子どもが葉の先についている・・そんなシダを森でみつけたら確実にピコピコだ

日本のゼンマイみたく、出てきたばかりの新芽は可食なので、ぽきっと手で折ってそのまま頬張ってしまおう。森のポッキーとでもいいたくなるような歯ごたえと、セロリのようなやさしい香りに包まれるはずだ。

NZ森の山菜3:キクラゲ

キクラゲ woodear
キクラゲ (Wood ear)

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日本でもお馴染みのキクラゲ、英語ではWood Ear (木の耳)となんとも言い得て妙な名前がついている。立ち枯れしたような木についていることが多く、写真のように割と群生しており、何より見た目がほかのキノコとは一線を画すので簡単に見つけられるだろう。

僕はロトルアの、オカタイナ湖から歩いてタワウェラ湖のキャンプ場に向かっているときに大きなキクラゲを見つけて食べたことがある。初めてでちょっとおっかなかったのでw、まず小さく裂いた欠片をボイルして食べて15分ほど待ち、何ともなかったので全部ラーメンに突っ込んで食べた。味はもう、フレッシュなキクラゲそのもの!肉の代わりになるんじゃないかとおもうほどのボリュームがあって大変においしかった。キクラゲはどこでも見つけられるし軽いし料理のいいアクセントになるしで文句なし。おススメの一品だ。

NZ森の山菜4:サプルジャック・ヴァイン

supple jack vines
supple jack vines (サプルジャック・ヴァイン)の先端の可食部
supple jack vines
supple jack vines 2

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NZの標高の低い森で見られるツタ、「サプルジャック・ヴァイン」。絡み合って群生するこのツタは森の奥地でトレッキングをしていると割と邪魔者でしかないのだが、可食部の先端は「森のアスパラガス」と呼ばれるほど美味しいことはあまり知られていない。

硬くしなやかなツタを下から目で辿って、運よく先端部を見つけることができたらラッキー。上述のピコピコと同じく手で簡単に折れるので、生のまま(もちろん調理してもよい)かじってみよう。山菜臭さがなく、すっきりとしていて「あれ?美味しい!」と思うころにはすでに平らげてしまっているはずだ:)。

秋には赤い実をつけるが、こちらは食べられないので、食べる代わりにカメラに収めてしまおう。

NZ森の山菜5:ハウンズ・タング・ファーン

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ハウンズ・タング・ファーン
Hounds tongue fern 可食部の新しい葉 photo by https://www.teapiti.co.nz/environment/

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犬の舌のシダ、と何とも奇妙な名前の付いたシダの一種、Hounds tongue fern(ハウンズ・タング・ファーン)。クライマーで、主にほかの木の幹に這うように成長するが、写真のように地面を這っているのもある。また、形もバラエティ豊かで、切れ目が多いのもあれば、ないものもある。ただそれでもやはり、こんな形をしたシダは他にないので簡単に見分けはつくはずだ。

可食部は、新しい葉っぱまるごと。出てきたばかりの、淡い黄緑色をした柔らかい葉っぱがあれば食べてみよう。くせのない、さっぱりした味でなかなか美味だ。僕はなぜだか毎回海苔を食べているような気持ちになる(味はノリじゃないが、気持ち的に!)。調理すれば、きっと野菜代わりに使うこともできるだろう。

NZ森の山菜6:キャベッジ・ツリー

cabbage tree
NZのキャベッジ・ツリー

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ニュージーランドの森において、おそらくマヌカの木に並んでよく見かける、馴染み深い植物、キャベッジ・ツリー。その名の通り、新芽の部分が「キャベツのような味がする」と初期の航海者や入植者が言ったことからこの名前が付いた。

トゲトゲのボールのような葉っぱの、その中心部の新芽の、一番柔らかい部分が食べられる。硬い葉を剥いでいくと、最後に細長いタケノコのような部分が残るので、そこを生で、あるいは調理して食べる。

ただし、食べられるとはいえ、採収までにけっこうな時間を擁すので、これは本当に遭難したりどうしても食料が無いときの、サバイバル・フードと言っていい。ちなみに、新芽を伐っても、幹の脇から新しい芽が出て来るので、植物自体は死ぬことはないのでご安心を。

NZ森の山菜7:カワカワ(フルーツ)

kawakawa
kawakawa(カワカワ)の葉

 

kawakawa berry
kawakawa berry。熟れたオレンジの実は可食。photo by Flicker

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ニュージーランドのどの森でも(住宅街の間のちょとした小さな森にさえも)つけられるカワカワ。この木は「マオリハーブ」と呼ばれる先住民族の森の知恵の代表格のようなもので、葉っぱから実、幹や根にいたるまですべてに薬用効果がありずっとずっと昔から重宝されてきた木だ。

トレッキング中の使いかたとしては、葉っぱはそのままガムのように噛んで虫歯の鎮痛剤に(これは僕も経験があるがほんとうに口の中が軽く麻痺して痛みが和らぐ)。水で煮てお茶のようにして飲めば胃や膀胱のケアに、そしてオレンジに色づいた熟れた実は、ナッツ代わりに口に放ってお菓子代わりに食べられる(利尿作用があるとされる)。オレンジの実は原生の鳥たちにとっても大好物なので、いっぱい取らずにシェアするようにしよう。

この森の万能薬の使いかたについてはネットでたくさんの情報があるので、興味がある方は検索してみてほしい。

番外:ナスタチウム(和名:キンレンカ)

nasturtium
Nasturtium ナスタチウム(和名キンレンカ)。原生植物ではないが、NZでは道端などによく見かける。photo by Flicker

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最後に番外編。僕がニュージーランドに来て驚いたことの一つに、このナスタチウムを道端などで見かける頻度がある。NZ原生の植物ではないのだが、クローバーのごとくちょっとした空き地や公園などで本当によく見かけるのだ。

ハーブとしても知られるナスタチウムは、葉っぱも花も可食。葉っぱはモロヘイヤみたいな粘り気のある野菜のような味があって、かなりおいしい。田舎のあまり汚染の無さそうな場所のナスタチウムなら安全なので、きれいな葉や花を摘んで食事に彩りを加えてみよう。

 

このほかにもたくさんニュージーランドには食べられる植物があるのだが、ひとまずここまでとしたい。実際のところ、この記事はNZ縦断3000kmトレッキングに挑戦中の友人に読んでもらうことを想定して書いてみた。NZならではの動植物との出会いも(目と舌で)楽しんでトレッキングを続けてほしいと願っている。

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