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野鳥観察にもってこい!オークランドの「ウェスタン・スプリングス」はイチオシ観光スポット

野鳥観察にもってこい!オークランドの「ウェスタン・スプリングス」はイチオシ観光スポット

こういうHPを書いていると、僕のもとにはよく野鳥関連の質問が寄せられる。
その中でも特に多いのは、

「オークランドでバードウォッチングをするには、どこに行くのがいいんでしょう?」

という質問だ。

これに対しては僕には明確な答えがあって、
まず、まる一日時間が取れる場合は、オークランド沖合の島「ティリティリ・マタンギ島」がファーストチョイスになる。そして、車でもうすこし気軽にアクセスしたい場合は、北部にある「タファラヌイ自然公園」、そして「シェイクスピア自然公園」が候補にあがってくる。

そして、ここからがこの記事の本題なのだけど、もしも半日くらいしかオークランド観光の枠がなく、車もなくて公共交通機関で行くバードウォッチングスポットをお探しの場合はどうだろう?
実は、そんな限られた条件でもうってつけの場所がある。それがオークランド動物園の隣にある、大きな池のある公園「ウェスタン・スプリングス western springs」だ。ここなら近場の割にかなりの鳥が見られる。どんな場所で、どんな野鳥が観れるんだろうか?レポートしてみよう。




オークランド市内のバードウォッチングならここ!「ウェスタン・スプリングス」へ

ウェスタン・スプリングスは地図で見るとココ。オークランド動物園(Auckland Zoo)やオークランド交通科学博物館(MOTAT)と隣り合わせの緑地なので公共バスが頻繁に通っており、車がなくても行ける手軽なハイキング&バードウォッチングスポットだ。

広さもほどよく、下のトレッキングマップの通り、池の外周を歩いても1.5~2㎞、時間にして約30分~1時間ほど。公園内はよくベビーカーを連れた家族連れも歩いているくらい、舗装路が通り、平坦で歩きやすいコースとなっている。

いるわ、いるわ、野鳥の大群・・ウェスタン・スプリングス、ここはまるで動物園!

ウェスタン・スプリングスでは、実は野鳥を”探す”必要はまったくない。
公園内に一歩足を踏み入れたその瞬間から歩き終えて公園の外に出るまで、ざっと数十羽の鳥たちが常に視界に入り続けることになるからだ(苦笑)。鳥たちは文字通り”列を組んで”歩いているし、

ウェスタン・スプリングスのアヒルちゃんたち
ウェスタン・スプリングスのガチョウちゃんたち

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遊具のそばを歩けば、餌をくれると勘違いした鳥たちがわざわざ芝生の向こうから歩いてやってきてくれる。

ウェスタン・スプリングスのガチョウちゃんたち2

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彼らガチョウ君たち(goose)はNZ在来の鳥ではないが、おそらく家禽だったものが(どういうわけか)ウェスタンスプリングスに居ついて繁殖しているんだろう。

もちろん、ちゃんとNZの在来種・固有種もたくさん生息している。

例えば、池のエリアでよくみられるのが黒鳥(ブラック・スワン)。そしてオーストラリアやニュージーランドに生息するオーストラリアン・クートも見られる。NZ在来種の代表格・プケコもいるし、ファンテイルグレイウォーブラなど、NZの森で頻繁に出会う鳥たちもよく生息している。

上記の鳥たちに加えて、外来種のフィンチたちやカモたちを加えれば、1時間足らずの間にかなりの種類&数の鳥たちを観察することができるはずだ。

ウェスタンスプリングスの黒鳥
ウェスタンスプリングスの黒鳥
オーストラリアン・クート

NZの貴重な鳥も。「ロイヤル・スプーンビル」は野鳥愛好家のアイドル!

そしてこの公園には、オークランド在住のバードウォッチャーの間で近年注目を集めている鳥がいる。「ロイヤル・スプーンビル(Royal Spoonbill)」と呼ばれる、名前の通りくちばしがスプーンのように平たい形をした、和名ではオーストラリア・ヘラサギと言う鳥だ。

royal spoonbill by flicker

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ヘラサギは割と近年になってNZに分布を拡大している在来種で、それだけに観察できる場所は限られている・・はずなのだが、どいうわけか都会の(ほぼ)真ん中の公園に巣をかけるようになり、オークランドのバードウォッチャーに嬉しい悲鳴を上げさせている。彼らは周囲の海が干潮のときは餌を取りに干潟にでかけ、満潮になるとウェスタン・スプリングスの寝床に戻ってくる。せっかくだから、満潮の時間を選んで公園を歩いてみよう。池の小島のような場所の梢に、きっと真っ白な鳥たちが停まっているはずだ。

バス等での移動時間を入れても、計3時間の枠を見ておけば十分ニュージーランドの鳥たち(とガチョウ)を観察できるウェスタン・スプリングス。NZらしい景色を探しに、この近郊のオアシスへと足を運んでいみてほしい。

Last Updated on 2022年9月26日 by 外山みのる

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