先日ロトルア近郊の森を歩いていたら、谷沿いのトレッキングコース上に一風変わったお花を見つけた。
それは緑色のフードをかぶったような形で、
お花というよりは小さな食虫植物みたいな変り種だった。
あとで調べてみると、どうやらその”奇妙な植物”はニュージーランド固有の「ラン」の一種で、これが僕にとって初めてのNZ国産のランとの遭遇となった。コトのついでにと「NZの蘭」についていろいろと調べてみたら、思った以上に面白い情報がたくさん出てきたので、このページではNZの蘭について紹介してみたいと思う。
僕がであったNZの蘭「グリーンフード・オーキッド(頭巾蘭)」
オークランドやロトルアから日帰りでいける山「テ・アロハ山(約1,000m)」の下山途中に見かけた奇妙な植物。
花のようだけど、緑色をしてて花びらもない・・そんな植物がコースの土手に群生しているのは、ちょっと奇妙な光景だった。
「これはいったいなんて植物だろう?」。
下山してから図鑑をめくってみると、奇抜な恰好が幸いしてか名前はすぐに判別できた。
僕が出会った上の写真の蘭は、「Greenhood Orchid」という。
和名は「頭巾蘭(ずきんらん)」の一種。greenhoodはオーストラリアやニュージーランドなどに分布しており、NZではごく一般的に見られるけど、世界的に見れば珍しい植物のようだ。
さて、鳥やお花に固有種が多いニュージーランドだけあって、ランの世界もやはり固有種が多い。
それらがどれだけ不思議な色カタチをしているかは、ネーミングからでも簡単に見て取れる。次項で代表的なNZのランを紹介してみよう。
NZ固有の蘭は120種以上!”ヘルメット・ラン”に”踊る蜘蛛ラン”まで・・
ニュージーランドに生息する野生の蘭はおよそ120種類。
そのうち3分の1ほどはオーストラリアなどと共有する種類だけど、残りはすべてNZ固有種だ。
面白いのは、NZのラン一覧やニュースサイトを見る限り、ニュージーランドのランはかなり地味なお花をしているものが多いことだ。アウトドア好きで知られるNZの一般市民にとっても識別が難しく、その”地味さ”が遠因となって多くのランが絶滅の危機に瀕しているという。
NZのランは、名前がかなりユニークだ。
たとえば、Dancing Spider Orchid。直訳すれば「踊る蜘蛛のラン」。
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こちらはFlying Duck Orchid。
空飛ぶカモの蘭??確かに、横から見れば、アヒルか鴨が飛んでいる姿にそっくりだ。
お次はこちら。Banded Helmet Orchid (バンデッド・ヘルメット・オーキッド)。
ヘルメット・ラン!?
確かに丸っこい形をしていて、見る角度によっては丸いヘルメットみたいに見えそうだ。
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もうひとつスパイダー・オーキッド。こちらはフェイスブックのNZ native plants の愛好家ページにあがっていたもので、学名はCorybas trilobus。南島のpaparoa national parkで撮影された。小さくて、足元にあっても、知らなかったら気が付かないかもしれない^^:
こうしてみると色がとにかく地味で、大きさもスミレ程しかないものが多いニュージーランド固有のランたち。春から夏に主に咲くようだから、ほかの種を見つけることができたら、きっと続編としてお伝えしていこう。
参考HP:
New Zealand Native Orchids
Landscape Research – Native Orchids of nz
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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