ヘビも大型哺乳類もいないニュージーランドにはさぞかし危険のない平和な森が広がっているものだと思っていたけれど、調べていくうちに実はそうではないことが分かってきた。
特に植物には死亡例もあるほど、誤って触ったり食べたりすると毒になるものも結構ある。以前おおまかに毒を持った植物についてはまとめたが、その中で紹介した「イラクサ」を先日偶然に見つけたので、触ってみたらどうなったかをレポ―トしてみよう。あわせて、なぜニュージーランドではイラクサを植えるのかも調べてみた。それにしても、あぁ、痛かった・・・。
オークランドでイラクサを発見!
ポンゾンビ―(Ponsonby)という街の郊外を歩いているときだった。街路樹の芝生エリアに、こんもりと膝丈くらいの植物が茂っているのが目に入った。最初は通り過ぎたけど、「あれって、ひょっとして・・」と引き返し、気になる植物の前で立ちどまった。見た感じは緑のシソのようだけど、そこら中にトゲトゲがついていて見るからに危なそう。近づいてよーく見てみると、やっぱり「イラクサ」のようだ。どうやら近所の誰かが植えたらしい。
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もちろん、触れば痛い毒草だとは知っている。
でも、どれだけ痛いかは触ってみないことには、本やネットで調べても分からない。
これも勉強のうち・・意を決して、撫でるようにイラクサを何回か触ってみた。すると・・
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一回二回と撫でてみると、・・あれ?痛くない。
それじゃあともう少し強めに撫でてみると、途端にびっくりして手を引っ込めてしまった。
い・・・痛い!!
まるでハチに刺されたような鋭い痛みが、手のひらの2~3か所で感じられる。しかも、痛みが引かない。じんじんと、ずっと小さな針で刺されているかのような痛みを感じる。これが全身にだったとしたら、確かにショックでも起きてしまいそうな痛みだ。
なぜニュージーランドではイラクサを植えるのか?
鋭い痛みはそのあと30分ほどたってようやく落ち着いてきた。話には聞いていたが、まったくとんでもない代物だ。
こうも危ないと、「どうしてニュージーランドではイラクサを植えるんだろう?」と疑問が起こってくる。本当に、どうしてなんだろう?
ネットで調べてみると、この写真のイラクサは「Scrub nettle」と言って、もともとはヨーロッパのイラクサのようだ。危険な植物だけど薬草でもあり、調理の仕方を間違えなければ栄養豊富なハーブとして利用できるのだという。
また、(おそらく僕のみたイラクサはこちらの理由によると思うのだけど)イラクサはニュージーランドに生息する数少ないタテハチョウ、Yellow Admiral と New Zealand Red Admiralという蝶の幼虫の餌になるようだ。
薬草にもなり、かわいらしい蝶も呼べる。正しく利用すれば、イラクサはメリットの多い植物だったのだ。僕が今回みつけたイラクサは外来種だったけど、ニュージーランド固有のイラクサ(オンガオンガという)もある。また見つけたら、こちらでもレポートしてみたい。
- 参考URL
Terrain – Urtica incisa (Scrub nettle)
Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる
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