NZ北島のトレッキングコースの中でも、”湧水の川”に沿って歩けるとても珍しいコース「Blue Springs」。ある日知人とこのコースを歩いていた時、ボトルウォーターの源泉地でもあるきれいな川の水を眺めていたせいか、自然と会話の内容も「水」にかかわることばかりとなった。軟水・硬水の成り立ちから、日本とNZの水の比較、含まれる成分に至るまで・・そう、水と一口に言っても、実は何時間でも語れるくらい奥が深いものなのだ。
そのとき話した内容が結構面白かったので、せっかくだからNATUREニュージーランドにも書き起こしてみたい。ニュージーランドのブルースプリングズから端を発した、お水のお話を紹介してみよう。
ニュージーランドのお水は、軟水?硬水?日本とNZの水は似ている。
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まず、ニュージーランドのお水(特に水道水)について基本的な疑問から解いていこう。それは、
「NZの水は、軟水なの?硬水なの?」
ということだ。NZに旅行などで来て、NZの水が軟水か硬水かを気にする人もきっと多いだろう。
さっそくその答えを書いてみると、「NZの水は基本的に軟水」だ。
”基本的に”と書いたのは、地域によって取水地が異なるため水の硬さも変わり、ごく一部の地域では硬水も使われているから。各都市がHP上で水の硬度を公表していて、例えばロトルアは1.5mg/L、ウェリントン(Te Marua)は18mg/Lなどとなっている。
※数値の意味は次項にて詳しく書くが、基本的には数値が低いほど軟水で飲みやすく、高いほど硬水化してクセのある水になる。
NZは軟水。では、日本のお水はどうだろう?
日本各地の水道水の硬度データを平均してみると、日本の水は総じて「おおよそ硬度30~60mg/Lくらいの軟水」だ。たとえば東京都の平均硬度は40mg/L。ボトルウォーター「六甲のおいしい水」は硬度32mg/Lの軟水。日本人にとってニュージーランドの水は日本と同じくらいの軟水で、文字通り”水が合う”国だと言えそうだ。
ちなみに、ヨーロッパのお水は硬い傾向がある。例えば有名なボトルウォーター「エビアン Evian」の硬度は、なんと304mg/L!一口に「水」と言っても、硬度はこれほどまでに差がある。いったい、どうしてこんなに違いがあるのだろう?!
そもそも、軟水や硬水ってなにが違うの?
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そもそも、さっきから出てくる数値、つまり、水の「硬度」というのは何だろう?
硬度というのは、水分中にミネラル成分(マグネシウムやカルシウム)がどれだけ含まれるかを数字に現したものだ。それらミネラル成分が100㎎/L以下だと軟水と呼び、101~300mg/Lを中硬水、301ml/L以上を硬水と呼んでいる。
では、どうして日本とニュージーランドの水は軟水なんだろうか?
その答えは、ニュージーランドも日本も同じ「島国」だからだ。
水というのは、雨として降って地層にしみこむと、数十年から数百年かけて地下を流れ、やがて地表に戻ってくるサイクルをもっている。そのスパンが長ければ長いほど、地中のミネラル分をより多く含むようになり、水は硬水化していく。つまり、国土が狭い島国だと、割と短期間で地表に流れ出てきてしまうため、地中からミネラル成分が溶け出す期間も少なくなり、軟水と呼ばれる水が誕生するわけだ。逆にヨーロッパは大陸にあるので水が地下を流れる期間がながく、硬水になりやすくなっている。
ブルースプリングズの水は、軟水なのに〇〇が含まれる!
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さて、冒頭でも触れたニュージーランド北島になるブルースプリングズ。ここから実にNZ産ボトルウォーターの7割近くを産出しており、文字通りニュージーランドを代表する水だ。
そんなブルースプリングズの硬度は、硬度10mg/L!超がつくほどの軟水として知られている。実は僕も毎日ボトルを買って仕事中に飲んでいるほどこの水のファンなのだけど、これは本当に柔らかくておいしい水だ。
ブルースプリングズの水には他にはない特徴があって、それは「軟水なのにシリカというミネラル成分が含まれている」ことだ。シリカは人の体、たとえば皮膚や髪、爪や骨などで重要な働きをしており、簡単にいえば美容面におおきな影響を持つミネラル成分。通常は硬水に多く含まれるシリカだけど、これがなぜかブルースプリングズの水に多量に含まれている。つまり、「超がつくほど飲みやすいのに、シリカも摂れて健康にいい!」と言え、このことが多くの人たちから愛され、NZ産ボトルウォーターの7割ものシェアを占める理由となっている。
日本でも買える!ニュージーランドのお水。
この記事を書くにあたってオンライン情報も調べてみると、楽天やアマゾンなど大手オンラインショッピングサイトでもいくつかブルースプリングズ産の水の取り扱いがあった。今回紹介したNZ産の口当たりのいい軟水の味を、ぜひ試してみてほしい。
参考:
エビアン:ミネラル量と水の硬度
NZ統計省:Urban Water Quality
Last Updated on 2022年9月26日 by 外山みのる
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