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WWOOF体験談。オーナーの面白すぎる生き方を学ぶ!オーストラリアのアボガドファーム

これまでいくつかWWOOFという海外で農業体験ができる仕組みについて書いてきたが、今日はその中でもとびきり面白かったファーム体験をご紹介しよう。

WWOOFは農業体験ができるだけではない。そこのオーナーの多彩な人生に触れて、自分の行き先をも考える絶好の機会でもある。僕が海外7か所でWWOOFをしたうちでもっとも面白い人生を歩むオーナーに出会えた場所は、オーストラリアのアデレード。2011年、僕が自転車でのオーストラリア横断にチャレンジしていたころに、ふらりと立ち寄ったアボガド・ファームだった。




初めて尽くしのウーフ体験

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アデレードのアボカドファーム

「500本ものアボガドの木でアボガド収穫!」
なんていううたい文句に惹かれて足を運んだアボガドファーム。ここでの体験は思い返せば本当に”人生初”の連続だった。

これまでアボガドが木になってるところすら見たことがなく、アボガドがオレンジみたく4-5メートルの木にいくつもぶら下がっていている風景も初ならば、それを手や網で収穫していき、それを冷蔵庫にしばらく保管、頃合いになったら週末の青空市場で売りさばく――そんな個人農家の一連の流れを体験するのも初だった。

一日4時間ほどの労働と引き換えに、超絶サイズのオージービーフのステーキが食卓に並び、ついでにビールとビールとビールがもらえる(笑)、なんともオーストラリアらしい食事風景。加えて、一緒に働いた2人のウーファーはどちらも目玉がとびでるほどのドイツ人美女!さらにはカンガルーやコアラが普通に敷地の森に暮らし、絶滅危惧種であるはずの黒いオウム(black cockatoo)も群れをなして飛び交っている・・あらゆる意味で目を疑うような光景ばかりのファーム生活だった。

ファームのオーナー、グレンの生き様がかっこいい

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たわわに実るアボカド

何よりここのオーナーがすごかった。
もともとはカンタス航空の社員だったというグレンに、こんなことを聞いたことがある。

「どうしてそんな大企業の地位を捨ててアボガドファームを始めたの?」

その答えはいまだに忘れられない。グレンはさらりとこう答えたのだった。

「カンタス以外にも、人生でやりたいことがいくらでもあったんだ。」

ある日アボガドファームが売りに出されているという情報を聞きつけ、忙しすぎたカンタス航空社員の地位を捨てて、悠々自適な生活を始めたグレン。まったく畑違いのファーム仕事も独学で習得して収穫を軌道に乗せると、あまりに余った敷地に牛を放し、同時に養蜂もスタート。その傍ら、自称セミプロというラグビーでは助っ人として地域のクラブに顔をだし、バイク、キャンプ、ダイビングなどの趣味も経歴を聞く限りアマの域を完全に超えたやり込みようだ。

酒の知識も恐ろしく豊富で、自宅1Fにはなんと専用のワインセラーとバーまで完備してあった。10日間の滞在の最後の夜には、フェアウェルパーティと称して、それこそバーに並んだ酒を端から端まで飲まされてしまった。ベロンベロンのままアデレードに戻ったのは今ではいい思い出だ^^;。

面白い人間に共通するのは、面白いとおもったことに本気で取り組む姿勢

グレンは当時52歳だったが、いつでも夢を語る人間だった。
話が弾めばいつでも「今度はあれをしたい、こんなこともやってみたい、こうありたい・・」と、こっちが笑ってしまうくらい、発言は20歳のように若いのだ。

WWOOFのオーナーは多趣味で仕事の幅も広い人が多いが、僕が思うに、グレンを筆頭にWWOOFのオーナーは必ず「面白いと思ったことはどんなことにも本気で取り組む」人たちだった。言い換えれば自分に正直で、ある意味で自分に厳しく、決めたことに言い訳はしない信条の持ち主と言ってもいい。

そんな人たちの作り上げた空間にお邪魔し、一日中生活をともにするというのは、人生上でもかけがえのない瞬間になる可能性を秘めていると思う。行動力、実行力、スピード感、努力量(本人は努力などと思ってない。)どれもこれも自分よりも数段上の”一流の人間”に触れるということ。これはどんな本や映画よりもガツンとくる。

「さて、じゃぁ自分はどう生きていこうか?」

一流の、ホンモノの人間に出会えば、自分にもそう問わずにはいられない。本質的な問いが頻発する生活、これはいつだって面白い。本来は農業体験のためのWWOOFだが、やはり醍醐味はオーナーとの出会いなんだと、僕はこのアボガドファームで強く思ったのだった。

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Last Updated on 2022年9月22日 by 外山みのる

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COMMENTS

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. こんにちは。コメントありがとうございます。
    ファームの名前は確か「Adelaide hills farm」だったと思います。
    僕の当時は、アデレードのアボカドファームはグレンの一件だけだったのですぐ見つかると思いますよ。wwoofの冊子やオンライン検索で探してみてください。

  2. はじめまして。
    短期でオーストラリアに飛ぶ予定で色々サイトを拝見していた中こちらに辿り着き、記事を見ていて是非私もグレンさんとお会いしてお話しして見たいと思いました。
    アデレードのどの辺りでしょうか?
    もし宜しければ詳細を教えていただけますでしょうか。
    宜しくお願い致します。

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