僕がニュージーランドにやってきて驚いたことの一つに、「フィッシングルールの厳しさ」がある。日本でももちろん特に川魚に関しては厳しいルールがあると聞いているが、ニュージーランドではより厳格で、潮干狩りで取っていい貝の個数まで決められているほどだ。
資源管理が行き届いている国なので、ルール違反を犯してしまった場合のペナルティも半端ではない。今日はニュースにもなっていた実例を使って、ニュージーランドの海で違反してしまった場合、どんな事態が待ち受けているのかを書いてみよう。これを知ると、きっと誰もが「魚釣りに関しては絶対ルールを守ろう・・」と思ってしまうはずだ。
車も没収!潮干狩りを楽しみすぎた男たち・・

僕がこの記事を書こうと思った“原因”となったニュース。
オークランド地域の海辺で1人の男が捕まった。一次産業省(Ministry of Primary Industry)のパトロール隊が、潮干狩りが禁止されている海域で一台の不審な車を発見、持ち主に声をかけて調べたところ、トランクからとんでもないものが発見された。クーラーにびっしりと入っていたもの・・それは、一日の漁獲制限の12倍にもあたる、600個ものコックルと呼ばれるアサリのような2枚貝だった。
オークランド地域でのフィッシングルールでは、一人あたり採ってもいいコックルの量は1日あたり50個と決められていて、一つでも超えれば罰金とされる。それを600個というのはおだやかではない。
「どのような理由があっても制限の3倍を超える資源を持ち去った場合、我々は釣り具だけでなく、ボートや車など密漁に使われたあらゆる道具を没収します。」
とはパトロール隊の言葉だ。貝を拾いすぎてしまった哀れなこの男性は、車を含めたすべての道具を没収されたうえ、数百ドルもの罰金を科せられてしまったという。
罰金100万円!小さなアワビの代償はあまりにも大きく・・
北島のネイピアで、まれに見る高額な罰金が言い渡された。
総額1,300ドル(約100万円)もの罰金刑を言い渡されたのは、オークランドからわざわざネイピアまでアワビを捕りに来ていたダイバーたち。船で密漁から戻る途中にパトロール隊のチェックが入り、ものの見事に5人全員が大きく違反を犯しているのが発見された。
主犯格の男は163個ものパウア(アワビのこと)を持ち帰り、そのうち122個が規定サイズ以下の大きさだった。ちなみに、この地域のルールでは持ち帰っていいパウアは一人あたり10個、それも125㎜以上と規定がある。この男はパウアの数も大きさも思いっきり違反だ。オフィサーから言い渡されたペナルティーはなんと5000ドル(約40万円)!
その他の男たちも数こそ少ないが同様に数と大きさの違反があり、5人合計で13,000ドルも一次産業省に”寄付”することになってしまった。
3日間で27人もの罰金刑!イセエビをめぐる攻防・・
こちらはカイコウラからのニュース。
南島のカイコウラは海産物の豊富な海岸として知られているが、特に有名なのはクレイフィッシュ(イセエビ)だ。もちろん一般市民でも捕ってもいいが、イセエビに関しては「パウアなどすべての海産物と合わせて合計が50を超えてはいけない」という規定がある。
労働感謝の日(Labour Day)の3連休にパトロール隊が重点的に検査を行ったところ、一日目に7人、2日目に6人、最終日には一挙に14人もの人やグループから違反が発見された。多くの人は自前の船でダイビングをしており、ルールについても知識がある。転売目的でやってきた人も多かっただろう。
彼ら27人の違反内容はバラバラだが、最低でも250ドル(約2万円)もの罰金が言い渡されたとニュースは伝えている。
罰金最高額は200万円!NZのフィッシングルールを必ず押さえて海に出よう
ニュージーランドのフィッシングルールを破った場合、悪質であれば最大で2万ドル5千ドル(約200万円)もの罰金が科せられる。密漁に使われたあらゆる道具(車やボートまで)も没収されるとあるので、ルール違反には厳しい処罰が科せられるといっていいだろう。
これはボートやダイビングをする人たちだけでなく、桟橋からの釣りや潮干狩りに行く人たちも適応されるので、「NZの海岸でちょっと遊ぼう」と考えている人もルールは頭に入れておいた方がいい。鯛は30センチが最低サイズだけど、実際に29センチのを持ち帰ろうとして罰金を食らった人の話も聞いたことがある。同様に潮干狩りでわずか1個オーバーしていたとしても、「数えるのを間違えちゃった」では済まされない可能性が高いだろう。
家族で楽しく潮干狩りをして最後に250ドルもの罰金を支払ったのではあまりにも悲しすぎる。ニュージーランドの海では獲物を捕る前に、まずは取っていい量や大きさの確認を必ずしておこう。下のリンクで紹介しているアプリ「NZ Fishing Rules」を使うと、現場でも確認ができるのでおススメだ。
記事元URL
The Northern Adovocate – Skipper fined $25k for fishing in prohibited area
Stuff.co.nz – Kaikoura divers catch fishing fines
NZ Herald – Cockle catch too big – so start walking
Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる
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