火山活動が活発で温泉大国としても知られるニュージーランド。
これまでもオークランド日帰り圏内の温泉を紹介してきたけれど、今回は3か所目にして「これ以上の泉質の温泉に出会うことはもうないんじゃないか・・」と思えるほど極上の温泉に巡り合ってしまった。
その温泉は、知る人ぞ知る名湯「テ・アロハ温泉 Te Aroha Hot springs」。
周辺の山登りもかねて一泊二日で実際に温泉を堪能してきたので、レポートしてみよう。
テ・アロハ温泉へGo!
前回「ミランダ温泉」で大満喫してからというもの僕の温泉熱に火がついてしまい(笑)、「次はもっと遠出してあの温泉に行こう!」と翌週に予定を組んで向かったのが、オークランドから車で約1時間50分ほど南東にある「テ・アロハ温泉」だった。ここまでくると、もうオークランド近郊というより、ハミルトンやロトルアからのお出かけスポットと言ってもいい。
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/広々とした牧草の大地を突っ切る高層道路を延々と下り、いくつかの集落を超えると小さな町「テ・アロハ」が見えてきた。
何もない町なのかなと思いきや、案外しっかりしたメインストリートに大手スーパー「Countdown」や酒屋、カフェなどが軒を連ねている。ホリデーパークやB&Bなどの宿泊施設も揃っていて、まさに温泉の町といった風情だ。
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メインストリートの外れにあるちょっとした高台の公園「ドメイン」。その高台部分に、目的地のテ・アロハ温泉はあった。この町のほぼ唯一の観光施設というだけあって、小さいながらもしっかりした作りの建物だ。さて、カンジンの温泉はどんな感じなんだろう??
NZの美肌の湯。天然温泉に隠されたヒミツ
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さて、待ちに待ったテ・アロハ温泉だ。
上の写真の建物の中に同じ造りの個室がいくつかあって、そのうちの一つをあてがわれた。
案内された個室はもちろん完全貸切。中に入ってみると結構広く、浴槽とは別にシャワーと着替えるスペースがあった。
個室で服を脱いで浴槽に向かうと、ヒノキ材を使っているという木製の浴槽がまず目を引く。樽のような浴槽に張られた透明な温泉・・なんて風情がある光景だろう。ジェットバスのボタンを押すとお湯がこれでもかと溢れ出し、お湯も熱くて日本人好みの湯加減だ。もう、最初から感動しっぱなしである。お湯に浸かると、自然と言葉にならない「はあぁぁ・・」というため息がでてしまった。
(↑ テ・アロハ温泉の動画も撮ってみた。見よ、この溢れんばかりのお湯を!)
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お湯は一見すると無味無臭。だけど、入ってみると、あれ??なんだかお肌がぬるぬる・ツルツルしてきた・・。
「日本でも温泉に浸かってすぐこんなに肌がつるっとする経験は無かったかもしれない・・」
と思うくらい、存在感のあるお湯に包まれている感覚がする。
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これこそテ・アロハ自慢のアルカリ性温泉のなせる業で、ここは炭酸水素ナトリウムを多量に含んだ「重曹温泉」なのだ。
一般的にアルカリ性温泉の特徴として、表皮の余計な角質や古い分泌物を落とし、肌をなめらかにして、新陳代謝を活性化してくれるという特徴がある。アルカリ性の強い重曹温泉であるテ・アロハは、ニュージーランド随一の「美人の湯・美肌の湯」と呼べる貴重な温泉と言ってもいい。
服や体ににおいもつかないし、安心して湯船に浸かっていられる。僕は一番短い「30分」で予約したけど、2人で入って十分すぎるほどの時間だった(ちなみに、着替える時間10分は別にもらえるので、実質40分になる。)。係り員曰く「お湯から上がってもシャワー浴びないでね。せっかくの成分が落ちちゃうから。」とのこと。無味無臭の美人の湯をしっかり堪能して、さっぱりした気分で施設を後にしたのだった。
マオリ族も重宝した療養のお湯
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テ・アロハ温泉はその歴史もまた長い。
テ・アロハとは、マオリ語で、ずばり、「The Love」。
その名の通りこの名湯をひも解くとマオリ族の時代までさかのぼり、この地に定住したMarutuahuという部族に代々にわたって重宝されてきたという。
1880年にマオリ族からヨーロピアンに譲渡されてからは、テ・アロハの大地から湧き出すお湯は皮膚の病に効くとされ、リューマチや関節炎の療養の湯としても利用されてきた。
テ・アロハ温泉は、100年以上の長きにわたって、いや、それよりもずっとずっと昔から、この地を訪れたNZ初期の移住者や旅人を癒し続けてきたのだ。
登山の後に温泉はどう?テ・アロハ山とセットで最高の一日に。
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ちょうど具合のいいことに、テ・アロハ温泉のすぐ裏手から、この地方では割と有名なハイキングスポット「テ・アロハ山」へのコースが始まっている。
テ・アロハ山は標高952m。往復5時間ほどの頂上を目指す山登りだ。途中の原生林は大木がそこかしこにあって素晴らしく、登山が好きな人なら素晴らしい経験になるだろう。ちょっとだけ歩きたいという方にも、片道45分でいけるwhakapipi Lookoutという展望台までのコースや、もっと標高の低い20~30分程度の散歩コースもある。
ちょっと早めにテ・アロハの街について、山歩きを楽しんでから温泉を利用するのが、この名湯を120%満喫する最高の方法ではないだろうか。
★追記:マウント・テ・アロハの登山の様子はこちら
テ・アロハ温泉の詳細
テ・アロハ温泉は貸切風呂で人気が高いため、早めに予約をしてから行こう。
料金については以下の通り。(2022年現在。現在の料金は公式ページを確認しよう。)
- 30分貸切:大人22ドル、子ども11ドル
- 45分貸切:大人30ドル、子ども15ドル
- 60分貸切:大人36ドル、子ども20ドル
火曜と水曜はスペシャルディスカウント・デーで、
- 大人30分16ドル、45分21ドル、60分26ドル、となっている。
さらにキャンドルやお花をセットしたスペシャルコースや、マッサージなども受けられる。ちょっと特別な日などに使ってみてもいいかもしれない。
Te Aroa Mineral Spas
Te Aroha Domain, Te Aroha 3342, New Zealand
tearohamineralspas.co.nz
phone: +64 7-884 8717
email: taspas@mpdc.govt.nz
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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