4月、秋のニュージーランドでトレッキングをしていたら面白いものに出会った。
それは野鳥でも昆虫でもお花でもなく、キノコ!
あまりにド派手で、だれがどう見ても毒を持っていそうな真っ赤なキノコ君。どんな生態をしているんだろう?と思って、ちょっと調べてみたのでこのHPでも紹介してみたい。
ニュージーランドの真っ赤なキノコ「ベニテングダケ」
秋のニュージーランドでハイキングをしていたら、松の落ち葉をかき分けるようにニョキッと生えていたこのキノコ。真っ赤な傘に白い斑点が特徴的だ。グーグル検索で[red][white dot][mushroom]と打ったらあっという間に名前と生態が判明した。こんなに簡単に名前が判別する植物(菌類だけど)も珍しい(笑)。
名前は「Fly Agaric フライアガリック」。和名ではベニテングダケ(紅天狗茸)という。世界中で繁殖している菌類で、主に松林や白樺の森に生息している。他のキノコと同じく、よく見られるのは秋ごろ。ニュージーランドなら4~5月ごろが見ごろだ。僕が見たのは北島と南島の間にある島々「クイーンシャロット島」のトレッキングコース上で、ここに松の木がいくつかあってベニテングダケが数本ニョッキリと生えていた。NZには白樺林はないから、NZでこのキノコを見かけるとしたら松林ということになるだろう。
見た目は毒々しいけれど・・ベニテングダケの毒性は?
さて、なんとなく「見た目が派手なキノコほど毒性が強い」と思っている人も多いと思うけれど、実際のところどうなんだろう?
このベニテングダケに限って言えば、その法則は外れているようだ。こんなにド派手なのに、あまり毒性は強くなく、地域によっては食用にまでされていたという。
主な中毒症状は、吐き気や発汗、そして幻覚作用など。面白いことにこの「幻覚作用」を利用して、かつてシベリアなどではシャーマニズムの宗教にも利用されていたという。現代で言えば「マジックマッシュルーム」ということになるが、その用途で広く使われていないところを見ると、それほど強い作用を起こさないのか、もしくは幻覚以外のマイナス作用が働きすぎて「マジック~」としては利用しずらいのだろう。
いずれにせよ、スーパーマリオに出てきそうなこの真っ赤なきのこ「ベニテングダケ」は、森で見かけたらちょっと嬉しくなるものだ。秋の松林に出かけることがあったら、落ち葉がこんもり茂った場所を注意深く探してみよう。きっとそこには驚きが隠されているかもしれない。
参考URL:
ウィキペディア – ベニテングダケ
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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