僕が2015年にニュージーランドに移住して最初にしたことは、専門学校に通うことだった。学部はHorticulture、つまり園芸や造園を学ぶコースで、当然、ニュージーランドの植物(ネイティブ・プランツと言う)を片っ端から覚えることからはじまった。
この名前を覚える作業はまさに地獄のように大変だった。
ナゼかというと、植物の名前が全部マオリ語だから..!!
今日は皆様にも、NZで植物を学ぶ専門学生の苦しみをご紹介してみよう。
オークランド郊外。近所の植物を採集してみると・・
学校からの帰り道に、道沿いの植物を採集してみたことがある。
上記の写真、名前を手前から挙げてみよう。
マポウ、マイレ、リム、ピュリリ、ファウ、カラム、トタラ、カワカワ、レワレワ・・・
もちろん、妙な名前のものばかりを選んだわけではない。道端のネイティブ植物を集めただけでこんな感じなのだ。しかしまだまだこれらは序の口。もっとややこしいのを挙げてみよう。
笑っちゃうほどややこしい、マオリ語の植物名
ニュージーランドの植物の代名詞ともいえる木性シダ。英語ではファーン Fernだけど、これがマオリ語になると・・
上のシダは、マオリ語では「Whekiponga ウェキポンガ」。ほかにも「ママク」「ポンガ」「ウェキ」などがあって、じつはファーンと一言で言っても種類がたくさんある。ファーンの種類については別の記事で説明しよう。
では次の問題。この植物の名前は?
Mingimingi ミンギミンギ。マオリ語名は、こんな風に繰り返すタイプの名前が多い。
下の写真はマンゲマンゲ。もう呪文みたいだ。
お次はニュージーランドの森に欠かせない大木、英語ではWhite Pine(白松)と呼ばれる大木だが・・
マオリ語ではKahikatea カヒカテア。下を噛みそうで、覚えるのに一番苦労した植物かもしれない。
最後の一枚。英語だと「マーブル・リーフ」というかわいらしい名前だが・・
図鑑を引くとそこ書いてあった名前は「PUTAPUTAWETA プタプタウェタ」・・。真面目に名前を付けてくれよと何度思ったことだろう。
NZの植物は英語・ラテン・マオリの3種を覚えなければならない!
このように、NZで植物の名前を覚えるとなると、英語だけでなく学名のラテン語や、さらにはマオリ語まで覚えることになる。さすがはニュージーランド、なにごとも一筋縄ではいかない国だ。
ちなみに、マオリ語は日本語の発音そのままでOK!
たとえば、rewarewa は「れわれわ」と言えばマオリの人に通じるし、逆に発音が完璧すぎて驚かれてしまう。この辺はマオリ人のルーツに関わってくる話なので、また別の機会に触れてみたい。
Last Updated on 2022年9月21日 by 外山みのる
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