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オークランドから50分!ムリワイビーチのガネット・コロニーは外せない観光スポット

オークランドから50分!ムリワイビーチのガネット・コロニーは外せない観光スポット

オークランドの隠れた観光スポットと言ったら、僕はまよわず「ムリワイビーチ」を挙げる。僕は初めて訪れてからというものすっかり魅了されて、それ以来、友人やお客さんを連れて何十回も足を運んでいる。どんな場所か、さっそくみてみよう。




オークランドから行けるムリワイビーチ


ムリワイビーチはオークランドから北西に車で約50分の位置にある。ワイナリーで有名な街をいくつか抜けて、広大な牧草地を突っ切った先にあるビーチだ。

ここは何を隠そうガネット(和名はカツオドリ)という大型の海鳥がコロニーをつくる場所として有名で、最盛期の夏になると観光客を乗せたマイクロバスがひっきりなしにやってくる。

専用の駐車場からコースに沿って歩いていくと、だんだんと鳥のコロニー特有の匂いがしてくる。海鳥らしき鳴き声も少しずつ大きくなっていく。歩いて5分ほどで展望台が見えてきて、そして一気に視界がひらけると、想像以上に近く、そして何百もの巣をつくるガネットたちに誰もが驚くはずだ。

ガネットコロニー(ムリワイビーチ)
ガネットコロニー(ムリワイビーチ)

 

2015年に撮った動画もある。実際の雰囲気を感じ取ってもらえるだろうか。

荒々しい海岸に、これでもか!とひしめき合って巣をつくるガネットたち。映像では見えないものの、卵を抱えていたり、ヒナが孵っていたりと、実際に目で見るとたくさんの変化があって楽しめる。

ガネットってどんな鳥?

日本ではシロカツオドリとして知られるガネットは、正式にはオーストラレィジアン・ガネット(Australasian Gannet)という。羽を広げると1.8mにもなり、ちょうどこれを読んでいるあなたよりもきっと少し大きいくらいの大きさだろう。

コロニーもすごいが、このガネットの最も有名なシーンはその食事風景にある。海面約30メートルの高さから時速145キロものスピードで突っ込み、海の中を優雅に泳ぐ魚を捕まえるのだ。下の映像の20秒~あたりからそのダイビングの様子がうかがえる。

オークランドのハーバーブリッジを走る車のフロントガラスに、ガネットがこのダイビングをかましてしまった事件は有名な逸話だ。おそらくフロントガラスの反射を海面と誤って突っ込んだのだが、なんとガラスを突き破って死んたガネットは無傷だったという。海面に衝突する際の水圧に耐えられるように進化した強靭な体を、ひょんなことから証明してしまった事件だったと言える。(ドライバーも無事だったらしい。)

ガネット(カツオドリ)はいつ見られる?

ニュージーランドでガネットが見られる季節は限られていて、だいたい9月から3月まで。8月中下旬ごろになると「ガネットが今年もきたよ!」とニュースに上がり、3月を過ぎると「また来年ね!」とこれまたニュースになる。ニュージーランドではそれだけ多くの人が気にかけているのだろう。では、冬の間彼らはどこにいるのかというと、お隣オーストラリアに戻って越冬しているらしい。そして春になるとNZのいくつかの海岸に集まり、つがいをつくってヒナを育てる・・というサイクルを繰り返しているのだ。

今年も、これを書いている10月末ごろに「卵があったよ!」という第一報がSNSのオークランドコミュニティーに上がっていた。これからムリワイはまた慌ただしい季節を迎える。興味がわいた人はぜひ行ってみてほしい。

Last Updated on 2022年9月19日 by 外山みのる

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