食卓に乗せる海の幸の選択肢が少ないニュージーランド。日本人にとってはあまり嬉しくないことのように思えるけれど、それはただ単に魚や貝をあまり食べない食文化によるものであって、そのせいか街の近くの海も荒らされておらずカンタンに”食材”を調達することができる。
僕はほとんど日本では釣りをしなかったのに、こちらでは30センチ以上のタイは楽に釣れるし、潮干狩りにいって干潟で一回しゃがみこめばその範囲で充分一食分の貝が取れてしまう(!)ので、NZ移住後はことあるごとに海で”食材探し”をするようになった。きっと僕のような人は大勢いると思う。ここではニュージーランドの海の幸の中でも、比較的誰でも手に入れることができる貝について書いてみよう。オークランドから割と近いところでも潮干狩りができる場所がある。
ピピとコックル
なんともかわいらしい名前だけど、日本でいうアサリ的な位置づけの貝たちで、潮干狩りで取れる貝は大抵この2種類なので覚えやすい。ピピは小さなミル貝、コックルは小さな赤貝のような形をしている。
ピピ(Pipi)

コックル(Cockle)

シェークスピア自然公園で潮干狩り!
さて、僕の知る限りオークランド近郊で潮干狩りスポットとして有名なのはシェークスピア自然公園(Shakespear Regional Park)という場所だ。オークランドから北に1時間ほど車を走らせた先にある半島部の公園にあるビーチは、潮が引くと干潟のように広大な砂地が現れる。日本だったら間違いなく渡り鳥を守る国際条約ラムサール条約あたりに登録されるであろうとても大きな”干潟”で、そんなのがごく普通にあるというニュージーランドの懐の深さが感じられる場所だ。
上の地図はあえてサテライト写真で表示してみた。南側のオコロマイ・ベイ(Okoromai Bay)という場所を拡大してみると、この干潟の大きさが分かる。
さて、シェークスピアで取れるのはCockleという貝のほうだ。個人的にはPipiよりもCockleの方が塩抜きをしやすいので、潮干狩りといえばほぼ自動的にシェイクスピア一択になる。少し沼っぽい砂地をあるいて干潟の先まで行くと、もうすでにごろごろとコックルが転がっているのが分かる。ためしにしゃがみこみ、手で周囲の砂を探ってみる。すると、もうそれだけで数十個も取れてしまうから本当に驚きだ。潮干狩りというよりは、間引き作業と言った方が近いかもしれない。探す楽しみは少ないが、それだけこの海が豊かな証でもある。大きいのだけ選んで、バケツに入れて持って帰ろう。

ふと見上げると、潮干狩りにきている人はみんなアジア人。マオリ系の人も見かけたことはあるものの、やはり貝をとって食べるという文化はニュージーランドにはないらしい。
コックルのお味は・・!?
コックルは煮てよし焼いてよし。まさにアサリのように使える便利な食材だ。肝心のお味は、少し薄めのアサリといったところだ。それでも充分うまい。ほとんど砂も噛んでないのですぐに食べられるのもうれしい。
厳しいルールがあるので、ご注意!
ニュージーランドの海産物にはかなり厳しいルールが設けられているので、必ず取っていい数を確認するようにしよう。オークランド地域では人口が多いからか、ピピもコックルも一人50個までと制限がかかっている。(ほかの地域はたいてい150個)。でも、1家族でいけば200個くらいなるのでまったく問題はない。詳しくは政府のHPの「Fishing Rule」で確認しておこう。
★追記:潮干狩りで捕れる貝の種類をまとめてみた!詳しくはこちらをどうぞ↓
Last Updated on 2022年9月19日 by 外山みのる
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