NATUREニュージーランド

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グ・・グロカワイイ!?ニュージーランドの肉食カタツムリが森でミミズを見かけたらこうなる・・

グ・・グロカワイイ!?ニュージーランドの肉食カタツムリが森でミミズを見かけたらこうなる・・

先日トレッキング遠征と称してタラナキ地方に旅行にいった。この地方の中心的な街・ニュープリマスの観光案内所に立ち寄ってみると、ここはちょっとしたミュージアムのようにもなっていて、僕が行ったときは「ニュージーランドの珍虫展」のようなものがやっていた。

トンボやセミなどのメジャーな虫たちの展示や、それを取り巻く子どもたちを微笑ましく眺めながら、やがて展示の奥まで進んだとき、僕はプロジェクターの映しだす映像に足が釘付けになってしまった。そこでは、なんと巨大なカタツムリがミミズを食べるキモチワルイシーンが上映されていたからだ・・

ユニークな進化を遂げた生き物がおおいニュージーランドの中でも、とりわけとんでもない進化をしてしまった、肉食カタツムリ、Powelliphanta snail(ポウェリファンタ・スネイル)をご紹介してみよう・・。




観覧注意!肉食カタツムリの”スパゲッティ”食事風景

まずはとにかく、こちらの映像を観てみよう。
グロとか気持ち悪いのがダメな人は、再生せずに下の説明に飛ぼう。
怖いもの見たさでクリックすると、きっとしばらくスパゲッティが食べられなくなってしまうかも・・!?笑

なんでこんなにノリノリの音楽とともに壮絶な映像を観なければいけないのか分からないけど、ともかくこれがグロカワイイ(?)と有名なニュージーランドの陸生肉食カタツムリ、ポウェリファンタ・スネイル(powelliphanta snail) だ。日本語ではヌリツヤマイマイと呼ばれている。

少なくとも21種類、51亜種がニュージーランドで確認されているこの肉食カタツムリ。殻の大きさは実に9cmと超巨大だ。ちなみに、野球のボールが約7.5cm。ちょっと手をグーにしてみてほしい。ちょうどそのこぶしのサイズが、森を這うヌリツヤマイマイの大きさと言っていい。なるほど、とんでもないサイズだ。

夜行性で、森の湿気のある地面を這ってミミズやナメクジなどを食らう。最長で20年ほど生きる、超長寿のカタツムリでもある。

なぜこんなに巨大で、肉食のカタツムリになったのか?

どうしてこんな巨大化してしまったのかというと、ニュージーランドの独特の環境が背景にある。ニュージーランドは哺乳類がおらず、生態系の頂点は鳥という世界でも珍しい土地だった。天敵がいないと生物の進化は「巨大化」に向かうとされていて、ヌリツヤマイマイもまさにその例にもれず巨大化をしていったと考えられている。

肉食に進んだのは、そうした巨大な体を支えるためと、ほかの大陸ではネズミやイタチが占める生態系のポジションがニュージーランドでは空いていたため、そのニッチ(生態的地位)へと進化の駒を進めることができたからだろう。

最後に、もう一つだけヌリツヤマイマイの映像。こちらはやさしめの動画で、どうやら一般の人が偶然見つけたものを撮ったものらしい。

参考:
DOC: powelliphanta-snails
Nelson mail.co.nz : It’s so hard being a snail 

Last Updated on 2022年9月22日 by 外山みのる

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