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なぜ国鳥キーウィは夜行性になったのか?

Elusive Kiwi

国にはそれぞれ国花や国鳥というものがある。たとえば日本なら国花は「桜」や「菊(※法的に指定された花はないらしい)」、国鳥はキジであるように、ここニュージーランドの国鳥は『キーウィ』となっている。NZの鳥の中で最も有名で、ニュージーランド人も自らを「私はキーウィだ」と言ったりする。地味な見た目の割にはNZという国をしっかり代表する鳥だ。

さて、僕がニュージーランドに来てから不思議でならないことがある。「野生のキーウィに会ったことがある」というNZ人にこれまでほとんど会ったことが無いのだ。どうしてなんだろう・・?でもこれはちょっと考えたらすぐに謎は解けた。キーウィは野生の数が減っている言われているし、何よりキーウィは夜行性だからだろう。

でも、そこでさらに謎が出てきた。そもそも、キーウィはどうして夜行性なんだろう?ニュージーランドの飛べない鳥たちが翼を失くした理由は、エサが豊富にあって飛び回る必要がなかったからじゃなかったのか?調べてみると、かつてニュージーランドにいた巨大な天敵の姿が浮かび上がってきた。今日はキーウィの夜行性のワケをお話してみよう。

キーウィが夜行性の理由1:好物が捕れるのが夜だった

まず一つ目の理由として挙がるのは、キーウィの食生活だろう。花の蜜や木の実を食べるほかの鳥と違って、キーウィが好きな食べ物はミミズなどの地面の中にいる小さな虫たち。彼らを捕るのは昼である必要もなく、虫たちは夜に活発に活動するため、キーウィも夜行性になったというわけだ。

kiwi
キーウィの退化した目、進化したヒゲ photo by pinterest

 

キーウィの体もそんな食生活に対応するために面白い進化を遂げている。世界で唯一嘴の先に鼻がついていて(普通は根もと)、クチバシを地面に突き刺してエサの匂いをかぎ分けることができるようになっている。眼も不要だとばかりに退化し、かわりにネコのようにヒゲを伸ばすことで周囲を感知できるようになった。

キーウィが夜行性の理由2:世界最大の猛禽ハースト・イーグルがいた!

falcon
ハーストイーグルの想像図 photo by primalcarnage

現代のニュージーランド、いやもっと、世界を見渡しても想像もできないような怪鳥がかつてのニュージーランドにはいたらしい。マオリの子どもさえさらわれたという伝説が残る世界最大の猛禽類『ハースト・イーグル(Haast’s Eagle)』が、時代的にはごくごく最近の1400年ごろまでいたという。

全長3メートルにもなるハーストイーグルが生態系のトップにいたニュージーランド。その下には、これまた現代の2倍もの大きさがあったチュウヒ(イールズ・ハリアーEyle’s Harrier)と呼ばれる猛禽類もいた。どうやらかつてのNZは『鳥の楽園』とはいえ熾烈な生存競争があったようだ。キーウィはそれらの捕食者から身を守るために、夜行性になっていったと考えらている。

"Karearea" (NZ Falcon)
現代も生きる猛禽類 NZ Falcon


現代ではこれらの捕食者はほとんど絶滅してしまって、固有種ではニュージーランド・ファルコンという小型の猛禽類がいるだけになってしまい、それで「なぜキーウィが夜行性なのか?」の答えが見えにくくなっていたようだ。夜行性という習性は、かつての熾烈な生存競争の証でもあったのだ。

 

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園芸/造園/コラム外山みのる
ニュージーランド在住。20歳でNZワーホリ後、海外自転車旅や山小屋バイト等を経て再びNZへ。お仕事は園芸や造園、コラム執筆等。

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