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【最新版】ニュージーランドに飛べない鳥が多い3つの理由

【最新版】ニュージーランドに飛べない鳥が多い3つの理由

ニュージーランドには飛べない鳥が多く暮らしている。
国鳥にもなっているキーウィや、世界で唯一の飛べないオウムとしてテレビにもよく登場する「カカポ」、50年間も絶滅していたと思われていたクイナ科の「タカへ」など、世界でもここだけのユニークな生態を持った鳥が多く、ニュージーランドは世界でも稀に見る”飛べない鳥の王国”とも言われている。

でも、そもそもどうしてニュージーランドでは飛べない鳥が多くみられるんだろうか?その秘密は、かつての地殻変動と進化にあった。今日は最新の調査結果をもとに、飛べない鳥が誕生したとされる3つの物語を追ってみよう。

  人間がやってくるまで哺乳類がおらず、”鳥の楽園”だったニュージーランド(コウモリを除く)。長きに…

飛べない鳥が多い理由1:ゴンドワナ大陸の”箱舟”

ニュージーランドが飛べない鳥の王国となるための最初のステップは、8000万年前までさかのぼる。

gondwana
ゴンドワナ大陸 by Zealandia

世界が7大陸に分かれる以前、地球上には『ローラシア』『ゴンドワナ』の2つの超大陸があった。南半球にあった『ゴンドワナ』は徐々に分離をはじめ、現在のアフリカ・南アメリカ・インド・オーストラリア・南極、そしてニュージーランドなどを形作っていった。

ニュージーランドの地がゴンドワナ大陸から離れたのはおそよ8000万年前。それから一度も他の大陸と繋がることはなく、ちょうどゴンドワナ大陸の動植物たちの救命ボートのように海に浮かび続けたことで、ニュージーランドでは独自の進化が進んだと考えられている。

そして、さらにもう一つ、この分離には大きな意味が隠されている。8000万年というのがポイントだ。ヒントは、恐竜が絶滅したのは、6500万年前あたり。つまり・・

飛べない鳥が多い理由2:哺乳類のいない島の誕生

Incoming!!!

地球上で恐竜が絶滅すると、その後、大陸では哺乳類の時代が幕をあけた。
哺乳類の進化の引き金になった恐竜の大絶滅は6500万年前だ。ここにニュージーランドに飛べない鳥が多い最大の要因がある。ニュージーランドはそれ以前(8000万年前)からほかの大陸から分離していたために、哺乳類の進化が起きない奇跡のような島となったのだ。

ほかの大陸で哺乳類が思い思いの進化を遂げる一方、ニュージーランドでは唯一飛来できた鳥たちが天敵のいない島に適応し、エサも豊富にあることから、飛ぶことをやめる選択を始めたというわけだ。

takahe @ tiritiri matangi island
飛べない鳥のtakahe

 

例えば、ニュージーランドの飛べないクイナ科の鳥「タカへ」。この色鮮やかな鳥は1千万年ほど前にニュージーランドに飛来し、すっかり安心しきって太って飛ぶことをやめてしまったとされる、典型的な飛べない鳥の王国の産物だ。

面白いことにNZにはタカへと瓜二つの「プケコ」という鳥がいる。こちらはまだ羽根があって飛べる。「まだ」と書いたのは、じつはこの2種はもとはほとんど同じ鳥で、彼らを分けた唯一の原因はニュージーランドに飛来したのが遅いか早いかの違いだけだからだ。プケコがやってきたのはたかだか千年前。タカへは1千年前。つまり、プケコも1千万年あればタカへのように太って飛ばなくなるよう進化するのだろう。ニュージーランドで飛べない鳥が誕生する要因は「哺乳類がいない=天敵がいないこと」にあるということが、このことからもよくわかる。

Pukeko
タカへと瓜二つの鳥、Pukeko。タカへと同じ祖先をもつ。

飛べない鳥が多い理由3:NZは一度沈没した!?

von tromp

近年の調査によると、どうやらニュージーランドの大部分は一度海に沈んだのではないか、と言われている。

これは現在進行形で研究されている分野で結論が出ていないものの、以前は「ニュージーランドは2500万年~2300万年前に一度完全に沈没した」という意見が多くを占めていた。そう考えれば確かにニュージーランドに哺乳類がいないことはカンタンに説明がつくし、上述のタカへのようにここ1~2千万年で飛べない鳥が進化していることの裏付けにもなる。

しかし、「完全に沈没した」と仮定すると、ゴンドワナ大陸譲りの特徴をもつ古代的な種、たとえば恐竜時代の生き残りとされるムカシトカゲ「ツアタラ」や、数千年生きることで知られる太古の特徴を持った巨木「カウリ」などがニュージーランドにいることが説明できない。そこで、最新の仮説としては、数パーセントの土地は沈まずに「箱舟=島」として残ったのではないか、そしていつしか海面が低くなって「箱舟」同志がくっつき、現代のニュージーランドの姿になっていったのではないかとされている。

仮に恐竜絶滅後にニュージーランドに哺乳類がいたとしても(その証拠はまだないが)、この”ほぼ沈没”した時期に大型獣はいなくなったはずだ。こうしたいくつかの要因が奇跡的に重なった結果、ニュージーランドは進化の実験場のように不思議な鳥たちが誕生していったのだろう。

飛べない鳥の多くは絶滅の危機

飛べない鳥の王国に人間がやってきたのが約1000年ほど前。それからわずかの間に、当時住んでいた鳥の半分近くが絶滅してしまったと言われている。全長3メートルを優に超えたといわれる飛べない鳥モアも残念ながら狩りによって絶滅してしまった。

現在生き残っているNZ独自の鳥たちも、その多くは絶滅の危機に瀕している。ニュージーランドに旅行に行く際は、飛べない鳥たちの保護活動にも目を向けてみよう。きっとニュージーランドの自然をより深く学ぶことができるはずだ。

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園芸/造園/コラム外山みのる
ニュージーランド在住。20歳でNZワーホリ後、海外自転車旅や山小屋バイト等を経て再びNZへ。お仕事は園芸や造園、コラム執筆等。

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