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NZ3,000kmハイク「テ・アラロア」に挑戦!北井栄治さんに話を聞いてきた。

NZ3,000kmハイク「テ・アラロア」に挑戦!北井栄治さんに話を聞いてきた。

日本縦断と同じ約3,000キロ。ニュージーランドでもっとも長い距離を歩くハイキングコース、その名も「テ・アラロア Te Araroa」。北は北島北端のケープ・レインガから始まって、南は南島最南端のブラフまでを数か月かけて自分の足だけで歩き通す――NZにハイキングコースは数あれど、テ・アラロアはその中でも究極ともいえるハイキングコースだ。

以前『ニュージーランドの3,000kmロングトレイル「テ・アラロア」。日本人の踏破は?』という記事でもこのコースを紹介したことがあったのだけど、今回その記事を読んだという日本人から「テ・アラロアに挑戦するのでその前にぜひお会いしたい」という嬉しいメールを頂き、お会いしてインタビューをさせてもらうことができた。

今回テ・アラロアに挑戦するのは、北井栄治さん。どうして挑戦しようと思い立ったのか?そして出発前の意気込みや不安などは・・?
そんな誰もが気になるところをお話してもらったので、この記事で紹介してみたい。

ニュージーランドの3,000kmロングトレイル「テ・アラロア」。日本人の踏破は?

数あるニュージーランドのトレッキングコースの中でも、僕が常々「いつかはやってみたい」と思う、究極のコースがある。総延長3,000km、ニュージーランドが誇る最長のロングトレイル、「Te Araroa(テ・アラロア)」だ。国の北の端から南の端まで歩き抜くという途方も…

テ・アラロア挑戦前夜!北井栄治さんにオークランドでお会いしてきた。

オークランド・ヴァイアダクトからスカイタワーを眺める

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2017年9月上旬、オークランドの宿に滞在中だった北井栄治さんを訪ねた。
この日は北井さんにとって出発前夜、まさに明日から北の果てに移動して歩き出さんというタイミング。そんな大事な最後の晩餐(笑?)ながら、オークランド滞在は一泊ということで、急きょお会いする時間を作っていただくことになった。

3000キロを歩かんとするなんて、いったいどんな猛者が・・・と思いきや、宿のロビーに現れた北井さんは中肉中背、柔らかい雰囲気をまとったごく普通の日本人。笑顔で挨拶をしてくれて、こちらもすぐにリラックスして話をすることができた。

でも、宿から夕食の場所まで一緒に歩き出すと、すぐに「やっぱりテ・アラロアのハイカーなんだ」と思わされることになる。
というのも、そのしっかりした早い足取りが熟練のハイカーそのものなのだ。僕も日本やNZで毎週のように山歩きをする手前、人の歩き方やスピードを見るとなんとなく「この人はアウトドアをやってるなぁ」というのはわかる。そして北井さんのそれは、オークランドで久々に感じる「ヤマ屋の足取り」。内心面白いなぁと思いながら、海沿いのレストランに向かったのだった。

仕事で出会ったたくさんのテ・アラロア挑戦者との出会い。節目のテ・アラロア挑戦。

北井さん、仕事中の一コマ  by Keep on, Keepin’ on – Eiji’s Te Araroa Walk

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.北井さんの経歴は一冊の本ができるほど面白い。

ニュージーランドのクイーンズタウンに移住したのは、今から20年も前の1998年。東京に住んでいたころから登山にハマり、その延長線上に挙がってきたのが、アウトドア天国のニュージーランド南島だったという。

世界一美しい遊歩道と言われるミルフォード・トラックやルートバーン・トラックでトレッキングガイドとして活躍したのち(ミルフォードを通算118回も歩いたとか!)、現在はDOC(環境保全省)のレンジャーとして「グリーンストーン・トラック」の山小屋管理やコース整備などにあたり、雪で閉鎖される冬季はクイーンタウンの空港で仕事をしているという。

「テ・アラロアに挑戦しようと思ったきっかけは?」

と訪ねると、いくつかあるんだけどね・・と前置きしながら、こう答えてくれた。

「仕事で夏の間はグリーンストーン・トラックにいるんだけど、そこはテ・アラロアのコースの一部にもなっているんだ。だから夏のある時期になると、テ・アラロア走破を目指す人たちに毎日のように出会う。彼らの生き生きとした表情や、走破目前の自信あふれる姿を見ていると、自然と僕もやってみようという気になってきたんだ。」

なるほど、確かに、見聞きするのと、実際にやっている人を目の前にするのとでは、イメージの仕方がまったく違う。
3000キロのハイキングと聞くとなにか特別な人だけにしかできないことのように聞こえるけど、実際に歩いているのは特別でもなんでもない、一般のハイキング好きの人たちばかりなのだ。実際にやるかやらないかを隔ているのは、最初の一歩を踏み出せるかどうかの小さな(しかしそれこそが決定的な)違いでしかないんだろう。

Ice Lake, Westland National Park by Keep on, Keepin’ on – Eiji’s Te Araroa Walk 

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でも、そうやって何年も実際にハイカーを見続けてきて、それがどうして今年(2017年)になって「自分も」となったんだろう?

「今年歩こうと決めたきっかけは、今年は僕にとって50歳になる節目の年だったから。

人は「そのうちいつかやろう」とは言うけれど、“いつか”っていうのは言い続けているうちに手遅れになってしまう。50歳の誕生日という節目は、「いつかやりたい」と思っていたことにチャレンジするにはまたとない機会だったんだ。」

北井さんのテ・アラロア挑戦に至るまでの経歴はかなり珍しいものだと思うけど、日本からNZへの移住、トレッキングガイド、環境省レンジャー・・と、すべては自分の心の声にまっすぐに生きてきたからに他ならない。面白いと思える道を選び続けて、その道の先に見えてきたのが、今回のテ・アラロア挑戦だったのだ。

これまでの最長ハイクは125キロ。3000キロを前にした不安や期待は・・

Keep on, Keepin’ on – Eiji’s Te Araroa Walkより

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とはいえ、どれだけアウトドアが好きな人でも、日本縦断級のハイキングをやったことのある人なんていない。

北井さんも、「これまでの最長のハイキングは、ニュージーランド南島の下にあるスチュアート島のノースウェスト・サーキット・トラックで、全長125km、10日間のハイキング」だったそうだ。125キロも相当だけど、それでもテ・アラロアの3000キロには遠く及ばない。そこで、

「不安や期待はありますか?」と聞いてみると、笑いながら、こう返してくれた。

「それはもちろん不安だらけ・・、こんなに長い距離を歩いたことはないからね(笑)。でも、それだけに楽しみでもある。なにが起きるか、どんな出会いがあるかまったく分からないからね。」

北井さんがまず歩きはじめるのはニュージーランドの北島だ。

住み慣れた日本、そしてクイーンズタウンの雪を冠した山々のハイキングともまったく異なる、平地の多い、乾燥したNZ北島の大地。「いきなり北島のハイライトかもしれない」と言う100キロを超える規模の「90マイルビーチ」や、ドロドロの山道で悪名高い「ピロンギア・フォレストパーク」、そして「トンガリロ世界遺産」や「ファンガヌイ・リバー」などのグレートウォークもある。

それらすべてが、数々の経験を持つ北井さんにとってさえ未知なるチャレンジ。でも、その新しさこそが出会う景色や人を特別なものにしてくれる。不安はもちろん不安だけど、それだけ見ても仕方がない。不安には同じだけ期待も付いてくるのだから――一連の受け答えを通して、僕はなにかテ・アラロアを歩くと決めた者だけが持つ、ある種達観したような雰囲気を垣間見たような気がしたのだった。

北井さんは今どこに!?FBページ「Keep on, Keepin’ on – Eiji’s Te Araroa Walk」で最新情報をフォロー

 

さて、細かい装備の話や、クイーンズタウンでのハイキングの様子などもいろいろ話を聞いたけれど、それらすべてを書いているとそれこそ一冊の本になってしまう(苦笑)。

そこで、それらの細かい情報や歩いている様子が分かるように、北井さん自身がFBページ「Keep on, Keepin’ on – Eiji’s Te Araroa Walk」を立ち上げているので、ちょっとでも気になった方はページに飛んで「いいね!」を押してフォローしよう。「いいね!」が増えるだけでもきっと張り合いが増えると思うし、さらに応援メッセージをすればきっと歩く力になると思う。

なお、今回の北井さんのテ・アラロアチャレンジは2部制で、2017年9~10月に北島を縦断、ハイシーズンは本業であるDOCレンジャーをこなし、2018年の秋ごろに今度は南島を歩く予定になっている。

また、歩く距離に応じてルーバーンダート野生動物基金 Routeburn Dart Wildlife Trust への寄付金を集めるチャリティーウォークでもある。これまでに「クイーンズタウン・ウィルダネス・アドベンチャーズ(http://www.nzwilderness.co.nz)」、ルートバーン・トラックで車の移動サービスを提供している会社「トラック・ホッパー(https://www.facebook.com/Trackhopper/)」が賛同している。今後はきっと賛同企業も増えていくだろう。

それでは、Eijiさん、ケガなく終えるよう十分注意して、まずはウェリントン目指して、頑張ってください。Natureニュージーランドは全力で応援しております!:>

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Keep on, Keepin' on – Eiji's Te Araroa Walk

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