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世界的にも珍しい!NZの星空保護区「グレートバリア島」とは

世界的にも珍しい!NZの星空保護区「グレートバリア島」とは

ニュージーランドで星空観察と言えば南島の「レイク・テカポ」が真っ先に挙げられる。

テカポは街を挙げて本気で星空世界遺産をめざしている小さな町で、現に「ダークスカイ・リザーブ(星空保護区)」としてすでに登録もされ、世界中から夜空を見に観光客がこの町にやってきている。

そんな中、テカポに続く「星空保護区」として名乗りを上げている場所がある。それが今回紹介する「グレートバリア島」という島だ。いったいどんな場所で、どんな星空が見られるんだろう?




2017年、ニュージーランドに世界で3例目のダークスカイ・サンクチュアリが誕生

https://www.flickr.com/photos/treyguinn/27741758020/
満天の星空 by Flicker

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2017年のこと。ニュージーランド北島の離島・グレートバリア島は、「ダークスカイ・サンクチュアリ(Dark Sky Sanctuary)」に認定されたというニュースに沸いた。これは当時、アメリカのニューメキシコ、チリに次いで、世界でも3番目の快挙だった。

グレートバリア島は、オークランドから北東に約100kmの海上にある比較的大きな離島で、人口は約950人。発電所からの送電網はなく、つまり島民はオフグリッドの生活をしているという、きわめて珍しい土地だ。スーパーも娯楽施設もなく、あるのは個人経営のB&Bとレストランのみ。観光と言えばトレッキング好きのNZ人なら知らぬものはいないトレッキングコース(2~3日かかる)があるものの、オフシーズンにはほとんど観光客が来ないことが島の悩みだったという。

そこで起死回生の策としてグレートバリア島の住民たちが目を付けたのが、あえて「何もない島」を売りに出すことだった。世界で最高の星空スポットとして登録されれば、冬も観光客がやってきてくれるかもしれない――。

こうして2017年に星空保護区を認定する団体「国際ダークスカイ教会 International Dark sky assosiation」に登録を申請し、ついに念願のダークスカイ・サンクチュアリに認定されることになったのだった。

ダークスカイ・サンクチュアリと、テカポの「星空保護区」とは何が違う?

Church Of The Good Shepherd, Lake Tekapo

しかも、グレートバリア島が登録されたのは、世界で3番目となる「ダークスカイ・サンクチュアリ」。
国際ダークスカイ教会の認定する星空保護区には主に4種類あって、認定数の多い順に「ダークスカイ・コミュニティ Dark sky communities」「ダークスカイ・パーク Dark sky park」「ダークスカイ・リザーブ dark sky reserve」、そしてその最上位にあたる「ダークスカイ・サンクチュアリ Dark sky sanctuary」がある。ちょっとややこしいけど、これらを総称して星空保護区、としているわけだ。

星空世界遺産の運動で有名なNZ南島のテカポは「リザーブ」に認定されており、実はこれはテカポを含めて世界にたくさんある。「ダークスカイ・サンクチュアリ」はパーク・リザーブよりもさらに光害のほとんどない遠隔地であることが登録の条件で、なおかつ星空観賞を推進できるようなアクセスの良さも考慮される。こうした一見相反するよう登録条件を満たせる場所は世界でもほとんどないらしく、オークランドから飛行機で30分でいけてしまうグレートバリア島は、こうした諸条件を満たす世界でも珍しい星空スポットとして注目を浴びることになったのだった。

さぁ、グレートバリア島へ行ってみよう!

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今後はおそらく各ガイドブックに「星空保護区の島」として載るだろうし、オークランド国際空港で乗り継いてそのまま島へ行けてしまうことから、アクセスの悪い南島へは行かずにグレートバリア島数泊とオークランドシティでNZ観光を完結させる人もけっこう出てくるのではないだろうか(僕はコレ、かなりいい案だと思う)。

インターネットを検索してみても日本人で体験談をアップしている人はほとんどおらず、日本人にとってはグレートバリア島はほとんど未知なる島。だからこそ、有名になりすぎる前に島を訪問するのもアリではないだろうか。

グレートバリア島行きのアクセスはフェリーか飛行機。フェリーはオークランドのフェリー乗り場から出ている。夏は毎日1便、冬の間は週に3便。所要時間は4.5時間で、料金はざっくりと往復200ドル~。オークランド空港からの国内線は、往復300ドル前後、所要時間は30分となっている。(行きかたの詳細は島のホームページに詳しい。)

ご依頼あればいつでもグレートバリア島に渡ります!

詳しい現地の施設の生情報、そして星空撮影スポットについての情報等は、手に入れ次第改めてUPしていきたい。

また『NATURE ニュージーランド』運営者としてはスポンサーをしていただけるメディアや企業があれば明日にでも島に飛ぶ用意があるので、コラム執筆や写真寄稿などのご依頼があればぜひご一報いただければと思っています。(・・と広告でした!!)

とにもかくにも、グレートバリア島はこれから名前が知られていくはず。自然好き、ハイキング好き、星空好きの方々はNZ旅行の候補地に加えてみてはいかがだろうか。

Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる

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