たくさんの見どころがあるニュージーランドでも、一際不思議な自然の造形美が楽しめるスポットがある。NZ南島のクライストチャーチとダニーデンの間にある、『モエラキ・ボルダーズ(Moeraki Boulders)』がそれだ。
海岸線に丸い巨石がごろごろと転がっている様子はあまりにも不思議で、一度見たら忘れられないインパクトがある。ガイドブックなどで、写真を見たことがある方もきっと多いだろう。
さて、先日そのモエラキボルダーズに実際に訪問する機会があったのだが、僕は事前の情報収集のとき、特に「満潮だと水没して見れないんじゃないのか..?」という不安があった。モエラキボルダ―ズを見るベストなタイミングは、満潮・干潮、果たしてどちらなのだろうか?現地の様子を踏まえて、解説してみよう。
NZ南島の奇岩「モエラキ・ボルダーズ」とは?
南島のクライストチャーチから車で3時間半、ダニーデンからは約1時間の距離にある小さな漁村「モエラキ」のビーチに、その奇岩はある。
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高さ1m~1.5mくらいの大きなまん丸の石が波打ち際に、まるで打ち上げられたかのように転がっている。その数はざっくり50個ほど。
とりたてて何もないこの地域の最大の見どころになっているようで、実際僕が行った時も、平日の昼間にも関わらず石の数以上の観光客がいて、その人気ぶりを伺うことができた。
この奇岩、いつ・どのようにできたのかというと、およそ6000万年前の海底に端を発するという。
海底の堆積物が”マリーンミネラル”と呼ばれる炭酸カルシウム(Calcite)をボンドのようにしてくっつき、400万~550万年もの歳月を経て現在の大きさの石にまで成長したのだという。ちょっとややこしいけど、ボンドを一滴ビーチに落とすと砂を噛んで固まるのと似たような原理だ。
マオリ族はこの石を「テ・カイ・ヒナキ Te Kai Hinaki」と呼んだ。テカイヒナキとは、”ウナギを入れるヒョウタンのカゴ”という意味。彼らの伝説では、アラテウル号という大きなカヌーが付近で沈没した際、海岸に打ち上げられたウナギのカゴが今のモエラキボルダーズになったのだという。
満潮・干潮どっちがいい?写真撮影をするなら要チェック!
そんなマオリ族の伝説も残るモエラキボルダーズ。
ちょうど波打ち際にあるので、少しだけ潮には気を付けたほうがいいかもしれない。
上の2枚の写真は僕が実際に撮ったもので、この時は干潮1時間前だった。つまり干潮時はまったく問題なく奇岩のところまで歩いていけるけれど、満潮時は石のところまで海水が戻ってきてしまうようだ。
なので、モエラキボルダーズで気軽に記念撮影をしたいなら、満潮とその前後2時間くらいはできるだけ避けて行こう。
ただ、一眼をもっての写真撮影となれば、潮の干満は使いかたによってすばらしい要素になる。
ちょうど潮が引きかけのころならこういう写真が撮れるし、
潮が満ちてしまっていても、朝晩の日差しが柔らかい時間帯ならスローシャッターでこんな写真も狙えるだろう。
要はどんな写真が欲しいかを思い浮かべてから、モエラキボルダーズに足を運んでみよう。
おススメは朝一。太陽は海側から登ってくるので、その時間帯に波が奇岩の足元にあれば、かなり(インスタ映えする)いい写真が撮れると思う。
モエラキボルダーズへのアクセス。最寄りのカフェからビーチに降りられる
最後にモエラキボルダーズのアクセスについて。主要都市からの行きかたはグーグルマップに聞いてもらうとして、現地についてからは、歩き始めるスタートポイントは2か所ある。「ビーチの公共駐車場」と「カフェ」だ。
下の地図を見ると分かるのだが、主要道の1号線から看板通りに海岸にまっすぐ降りていくと、「Moeraki Boulders Public Parking」に入っていく。ここからはビーチを歩いて15分くらい。これはこれで風情があっていいのだけど、実はモエラキボルダ―ズのすぐ隣の高台にカフェ「モエラキ・ボルダーズカフェ」がある。
このカフェからもウォーキングコースが海岸まで伸びているので、トイレもお土産もレストランもあるのだから、このカフェから奇岩までアクセスした方がいろいろと便利が良いと思う。僕は知らずにパブリック駐車場から歩いたけれど、読者様はカフェから歩いてみてほしい。
参考URL:
・Moeraki Boulders.com
・Wikipedia – Moeraki Boulders
ちなみに、すぐ近くにイエローアイドペンギン(キガシラペンギン)の見られるスポットがあるので、そちらの記事も参考にしてみてほしい。
Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる
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