いくつものハイキングコースを経験してきた中でも、とりわけ印象深い景色に出会ったトレッキングがある。ニュージーランド南島、ワナカという山々と湖が美しい街の『Mt.Roy (マウント・ロイ)』の山頂を目指すコースだ。ここは一日で登頂できるデイ・ウォークとしてはNZでも最も素晴らしい景色に出会えるコースの一つだろう。今日は絶景の写真とともにMt.Royのコース案内をしてみよう。

ワナカに行ったらロイズ・ピークの景色を堪能しよう

NZのハイキング好きの間では知らないものはいない、南島ワナカのマウント・ロイ（ロイズ・ピーク）。ここは街から近くてアクセスもよく、ルートも分かりやすいので誰でも挑戦でき、その上景色がずば抜けているという文句なしのコースだ。インスタスポットとしても名高いので、登山をしたことが無い人でも景色見たさにトライする人も多い。往復6時間、山頂まではひたすら登りという決して簡単ではないレベルだけど、だからこそ報酬として得られる景色が皆の心を打っているんだろう。

森ではなく、牧草地や草原が広がるマウント・ロイ。それだけに常に眼下の景色がずーーーっと背後に見えていて、しかも最初から絶景の連続だ。それが徐々に高度を上げると山の向こうにある別の山が見えてきて、最終的には四方を雪山に囲まれた大パノラマが広がる。

Mt.Royの場所や詳細については、以下のトレイルマップやDOC(NZ環境省)のRoys Peakのページを確認してほしい。何ならGoogle Mapを拡大してみるとグリーンの破線でルートが表示されている。

Mt.Royでは羊に遭遇できる

Mt.Royの面白さは、牧草地なのでコース上で羊が見れるかもしれないことだ。運が良ければ羊と記念撮影だってできるかもしれない。僕が歩いた時は子羊2頭を連れた家族連れが目の前に現れ、しばらく3頭そろって景色を眺めてから走り去っていった。牧草地のど真ん中で、ほんのつかの間、羊たちと絶景を共有する。たったそれだけなんだけど、あれはいったいなんて瞬間だったろう。

山頂付近はNZらしいタソック草原

麓のほうは牧草地だけど、山頂に近づくに従って「レッド・タソック」というNZ特有の草原が広がる。もともとは飛べない鳥「タカへ」も好んで食べていた植物だ。ニュージーランド南島の山岳地帯を代表する景観・タソック草原の中をひたすら登る。春先ならば山頂付近には雪も残っているはず。数時間の登りの中で、これほど景観が移り変わるのも珍しい。