NATURE ニュージーランド

ちょっとだけNZの自然に詳しくなれるネイチャーマガジン

コロマンデル半島で山小屋一泊登山!「ピナクルス山」トレッキング 後編

コロマンデル半島で山小屋一泊登山!「ピナクルス山」トレッキング 後編

コロマンデル半島と言えばビーチのリゾート地と言ったイメージがあるが、実はその真ん中には1000m弱の山々が連なり、たくさんのトレッキングコースが設置された登山者天国でもある。中でも有名なのは、標高759mのピナクルズ山トレッキングだろう。頂上の近くには山...

.
前後篇でお伝えしているコロマンデル半島「ピナクルズ山」一泊二日のトレッキング。前篇では概要と登りの様子を取り上げてみた。この後篇では、山小屋の様子と頂上アタック~下山までを書いてみよう。
特に、ピナクルズ・ハット(山小屋)のスタッフとの会話は印象的だった。

ハットのワーデン、レスター氏は日本通だった

峰に出て、ようやく雲の切れ目にハットが見えてきた。森に囲まれた、雰囲気のよさそうなハットだ。

ピナクルズ・ハットが遠くに見えた!
たどり着いたハットは、珍しいほど大きく立派なハットだった。

たどり着いた僕らを待っていたのは、見たこともないほど大きくて立派なハットだった。
玄関から天井の高い吹き抜けの廊下がのび、両サイドにこれまた立派なバンクルームがある。キッチンには水もガスもあるし、ガラス張りのテーブル席からは森が見渡せる。定員80名のサービスド・ハット、とは聞いていたが、まさかこれほどとは!

ピナクルズ・ハットのバンクルーム。かなり広々。
ピナクルズ・ハットのテーブルスペース。ガラス張りで暖かそう!
なかなか珍しい、ハットのガスキッチン。(※普通は自前でガス缶を持ってくる)

まるで田舎から都会に出てきたおのぼりさんみたくハットの出来に驚いていると、”ワーデン”と呼ばれるハットの常駐スタッフが僕らに声をかけてくれた。予約の確認と、簡単な施設の紹介をしてくれるのだという。
ゆっくりしゃべる、人のよさそうなキーウィの男は「レスター」と名乗り、名簿の僕の名前をみて「君は日本人だね」と聞いてきた。どうやら、レスターは日本人とは関わりがあるらしい。

説明を聞いた後、ザックを降ろしてベッドを確保してから、レスターが暇そうなところを見計らってもう一度声をかけてみた。

「レスター、日本には行ったことがあるの?」と聞くと、やっぱり「あるよ」との答え。

「ハットのワーデンになる前は、中古車のディーラーをしていたんだ。それで、ビジネスのために名古屋にいったことがある。その時は日本人によくしてもらったよ。」

僕が名古屋出身だというとレスターはそうかい、と嬉しそうに笑った。でも、車の売買ならかなり儲けがあったはず。それに比べればハットのワーデンはそんなに儲からないだろう。どうして山小屋スタッフになったんだい、と聞いてみると、ちょっと思いがけない答えが返ってきた。

「僕はふもとの街Thamesの出身でね。あるときガンを患ってしまって、これまでのように忙しく飛び回ることができなくなってしまったんだ。地元で、自然に囲まれる仕事を求めて、ワーデンを選んだんだよ。給料は大いに下がったがね(笑)8日間駐在すると、6日間休みがもらえる。ワーデンは健康にいい、私に合った仕事なんだ。」

物静かで人のよさそうなレスターにも、ハットのワーデンにたどり着くまで、言葉にはできないいろいろなドラマがあったんだろう。こうして縁あって話ができたことを、僕は嬉しく思った。

頂上アタックはちょっとしたアドベンチャー

さて、翌日になっても雨はなかなか止んでくれなかった。
予報は「曇り」となっているものの、こんな山の中じゃ信用もできそうにない。
紅茶をすすりながら10時まで待ったが晴れ間は出ず、小雨の中頂上へのアタックをかけることにした。

ピナクルズの頂上付近。霧が立ち込め、いい雰囲気だ。

. 
前篇で示した登山地図を見てみると分かるが、ピナクルズの頂上付近は急な登りになっている。実際に岩に取り付いてみると結構ラフな登りで、梯子や鉄の取っ手がそこかしこにあった。雨で滑る様な岩ではなかったのは幸いだったけれど、頂上までの15分ほどはちょっと神経を使って登った。スリルある、ちょっとしたアドベンチャー気分で一気に頂上へ。759mの山頂からは海が見渡せるはずだけど・・・残念ながら雨でカメラも出せない天候。まぁ、こればかりは仕方がない。

ピナクルズ頂上付近の登り。ちょっとスリルが味わえる。

下山途中にはトンデモない巨大なムカデに遭遇し、生きものとの出会いも最後まで楽しみながら山を下った(最後にリンク)。
800mにも満たない山ながら、はやり麓に降りると気温が上がってくる。増水してそこかしこで滝になった雨水で、顔や体を濡らしながら歩いた。また来るよ、と思いながら。

地面で濾過された水が至るところで滴っている。
こういう場所では、もちろん、こうする。笑

.
コロマンデル半島は本当にいい遊び場だ。オークランドからピナクルズまでも車で2時間ほど。日帰りもできるしキャンプもできる。僕はこれから何度も足を運ぶことになると思う。また新しいトレッキングコースを歩いたらここでもご紹介したい。

参考リンク:
DOC公式 – Pinnacles Hut
100%Pure NZ – kauaeranga valley 

先日、コロマンデル半島にある「ピナクルズ(759m)」に登った。霧が立ち込め小雨が降る中、川岸の森で昼食を取っていた時のこと。突然、隣でおとなしく食事をしていた妻がびっくりするほどの悲鳴を上げた。指さす方向を見ると、今度は僕が(嬉しい)悲鳴を挙げる番...

オークランドから日帰りで行けるリゾート地としても知られる、コロマンデル半島。実はこの半島には広大な原生林が残っていて、トレッキングのメッカとしても知られている。今回はそのうちの一つ、古老カウリの大木を目指す「デフシッチ・カウリ」をご紹介しよう。森...

ニュージーランドのトレッキング(登山)の魅力の一つは、なんといっても山小屋(Hut)に泊まることだろう。NZでは山歩きが国民的アクティビティとして定着していることに加え、ハンティングなどのために建てられたものも山小屋に転用されるなど、本当にNZ全国津々浦々...

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

ABOUT THE AUTHOR

園芸/造園/コラム外山みのる
ニュージーランド在住。20歳でNZワーホリ後、海外自転車旅や山小屋バイト等を経て再びNZへ。お仕事は園芸や造園、コラム執筆等。

コメントはこちら

*

COMMENT ON FACEBOOK

こんな記事も読まれてます

メリノウールよりすごいアウトドアウェア新素材。軽くて暖かいNZ産「ポッサム・ファー」って!?

メリノウールよりすごいアウトドアウェア新素材。軽くて暖かいNZ産「ポッサム・ファー」って!?

マックパックやカトマンドゥ、アイスブレーカーなど、数々の良質なアウトドアブランドを世に送り出し続けている国、ニュージーランド。国の代名詞ともいえる羊から採ったメリノウールはその品質の良さでほかの追従を許さず、快適で温かいメリノウール製品はア...
ニュージーランドで一番おいしいアイスクリームはどれかって?そんなの、Mr.Whippyに決まってますよ!

ニュージーランドで一番おいしいアイスクリームはどれかって?そんなの、Mr.Whippyに決まってますよ!

ニュージーランド人はアイスクリームやソフトクリームをほんと~うによく食べる国民だと思う。 食後のアイスはもちろん、そこにトッピングまで乗っけちゃうこともしばしば。NZ人は甘いものに目がなく、アイスクリームは毎日のように食べている印象がある。...
ティリティリ島の飛べない鳥、タカへ

ティリティリ島(オークランド)で自然保護ボランティアに参加しよう!

「自然保護のボランティアがしたい!」 と思ってニュージーランドにワーホリにやってきた僕が、最初に見つけたボランティアがオークランドの沖合にある島「ティリティリ・マタンギ島」だった。ここは最初こそ知らなかったものの、ニュージーランド随一の鳥の...
留学生におすすめ!試験対策に『Simple Wiki』を活用しよう!

留学生におすすめ!試験対策に『Simple Wiki』を活用しよう!

ニュージーランドに限らず、海外に留学をすると、避けて通れないのがアサイメント(レポート)と試験だろう。 日本語でも大変なレポートを英語で何百字も書くというのは、正直慣れていないと大変な作業だ。 そこで多くの留学生はわからない単語やキーワード...
Return Top