NATUREニュージーランド

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ニュージーランドの山小屋(ハット)の泊まり方を徹底解説!!

ニュージーランドの山小屋(ハット)の泊まり方を徹底解説!!

ニュージーランドのトレッキング(登山)の魅力の一つは、なんといっても山小屋(Hut)に泊まることだろう。
NZでは山歩きが国民的アクティビティとして定着していることに加え、ハンティングなどのために建てられたものも山小屋に転用されるなど、本当にNZ全国津々浦々にまで山小屋ネットワークが確立されている。歴史を感じるもの、最新設備を取りそろえたものなど、山小屋の個性も大きく違って面白い。僕なんかは山小屋に泊まりたいがためにわざわざ登山計画を立てたりもするくらいだ。

さて、日本なら電話一本かければすぐ予約なんてできるけれど、ニュージーランドはどういう風に運営されているんだろうか。このページでは、ニュージーランドの山小屋の概要と、予約や支払の方法について書いてみたい。




ニュージーランドの山小屋(ハット)の概要

ニュージーランドの山小屋(ハット)。エグモント国立公園のサービスド・ハット
ニュージーランドの山小屋(ハット)。こちらはエグモント国立公園のサービスド・ハット

日本の山小屋は市営、村営、私営など、山小屋によって運営母体が異なるけれど、ニュージーランドの山小屋のほとんどは、通称DOC(ドック)と略される環境省によって一括運営されている。ちなみに、NZでは山小屋のことをハットというので(そしてその方が雰囲気に合うので)、以下そう表記していこう。

まず、ハットの基本的な仕組みについて。
ニュージーランドのハットは、ざっくりいって2種類に分けられる。
グレートウォーク・ハットバックカントリー・ハットだ。

グレートウォークというのは特に景観の優れた全10コースをDOCが特に指定してそう呼んでいるもので、当然人気も高く(ハット代も高く)、そこにあるハットは特にグレートウォーク・ハットと呼ばれる。「ニュージーランドでも最も設備が充実しているハット」と言い換えてもよく、ハット内に飲み水、キッチン(ガス)、暖房施設(暖炉など)が確保され、たいていの場合常駐のワーデン(レンジャー)もいる。予約方法もバックカントリーハットとまるで異なる。

バックカントリーというのは英語独特の表現で、“ありのままの自然”、”野生”、とそんな風に捉えたらいい。要はグレートウォーク以外のトレッキングコース上に設置されたすべてのハットを、バックカントリーハットと呼んでいる。ややこしいことに、施設の充実度によってバックカントリーハットにはさらに3つのランク分けがある。次項ではバックカントリーハットの詳細を追ってみよう。

3つのランクがあるバックカントリー・ハット

ハットのキッチン兼ラウンジ。これはトンガリロ国立公園のグレートウォーク・ハット
ハットのキッチン兼ラウンジ。

 

バックカントリー・ハットは、施設の充実度によって3つのランクに分かれている。

  • サービスド・ハット(Serviced Hut)
    バックカントリー・ハットの中でも特に設備のいいハット。その多くはキッチンにガスや蛇口(飲み水)があるなど、設備レベル的には最上位であるグレートウォーク・ハットとそう変わらない。コロマンデルやエグモント国立公園、グレートバリア島など、グレートウォーク以外の人気コースのハットはサービスドハットに指定されていることが多い。要予約。
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  • スタンダード・ハット(Standard Hut)
    名前の通り、ニュージーランドで最も普通に見られるハット。調理用ガスはないが、マットレス、トイレ、外付けのウォータータンクは付いていて、暖炉があるところも多い。要予約。
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  • ベーシック・ハット(Basic Hut)
    ハンター用小屋の型落ちや、現役引退したものなど、シェルターをちょっとよくしただけの緊急避難小屋的なハット。雨がしのげるだけありがたい。人があまり通らないような山奥や荒野に多く、ある意味これを利用するにはたどり着くための体力が必要でチョット難しいのかもしれない。バンクベッドは残っていてもマットは付いておらず、トイレやウォータータンクも無いのが普通。その代わりおいしい川の水を飲む。予約不要、無料
ベーシック・ハットのイメージ。これはオーストラリア・コジオスコ山のハット

山小屋(バックカントリー・ハット)の予約・支払い方法

カテゴリーにかかわらず、ニュージーランドのハットは基本的にDOCのオンラインブッキング専用ページで予約&支払いをする。滞在している都市にDOCオフィスがあればそこでも予約できるが、やはりオンラインが基本だろう。

まず、カテゴリーごとの料金体系はこちら。DOCの「Hut categories: facilities and fees」から確認できる。(※料金は今後値上がりする可能性があるので、このNATUREニュージーランドでは明記しない。)

泊まりたいハットがまだはっきりしない場合は、DOCの「Stay in a Hut」のページで地域を絞り込んで探してみよう。地図から検索できるのも視覚的にわかりやすくていい。

ハットの名前がわかったら、上記のオンラインブッキングページに飛んで、予定している日付の空きを確認、予約・支払いを行う。

ちなみに、バックカントリー・ハットのほとんどにはテント場も設置されており、値段はハット代の半分となっている。安く済ませるならテント場にテントを張って、ハットの設備をちゃっかり利用するという手もアリだ。

まとめると・・

サービスド・ハットのベッド。マットはついている。

 

このページの情報を箇条書きにまとめてみよう。

  • ニュージーランドのハットは4種類ある。
  1. グレートウォーク・ハット
  2. バックカントリー・ハット(サービスド)
  3. バックカントリー・ハット(スタンダード)
  4. バックカントリー・ハット(ベーシック)
    ※テント泊はハット代の半額
  • 予約&支払い方法は、
    オンラインブッキング、または現地DOCオフィスから。

次ページはグレートウォーク・ハットについて。合わせて読んでみよう。↓

ニュージーランドのトレッキングの魅力のひとつは、何と言っても山小屋(ハット)に泊まることだ。NZには920ものハットがあり、歴史を感じさせてくれるもの、最新設備を持ったものなど、個性豊かなハットがたくさんある。それらを利用しながら大自然を満喫するのもトレッキングの醍醐味だろう。前回の記事では、『バックカントリーハット』と呼ばれる一般的なハットについて、その概要や予約方法を書いた。ここではその続きとして、NZで特に人気のあるコース「グレート・ウォークス」と称される9本のトレッキングコースのハットについ...

Last Updated on 2022年9月23日 by 外山みのる

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