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期待以上の野鳥の楽園!タファラヌイ自然公園のエコロジー・トレイルを歩いてみた

期待以上の野鳥の楽園!タファラヌイ自然公園のエコロジー・トレイルを歩いてみた

オークランド地域には日本でいう県立公園のような保護区「自然公園(Regional Park」)が全部で26もある。その中のいくつかは環境省の指定する鳥類保護区にもなっていて、鳥たちを保護する試みが続けられている。

先日久しぶりにそんな保護区の一つ、オークランドから車で北に1時間半の半島にある「タファラヌイ自然公園(Tawharanui Regional Park)」で行われた植林イベントに参加し、午後にはハイキングコースも歩いてみた。ちょっと遠いからこれまでなかなか足を伸ばさなかったけれど、しっかり歩いてみてびっくり、本当にたくさんの野鳥に会うことができた。この記事では、そんな感動とともに、僕が歩いたコースや出会った生き物たちの紹介をしてみよう。




タファラヌイ自然公園で植林ボランティアに参加。

tawharanui regional park
Tawharanui regional park

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以前にも“秘境感たっぷりの自然公園”としてお伝えしたこともある「タファラヌイ自然公園」。
オークランドからはまっすぐ北へ1時間半、サンデーマーケットで有名なマタカナという街を通り過ぎた先にある、半島の先が保護区になったような場所だ。

オークランドには26もの自然公園(Regional Park)がある。それぞれに素晴らしい自然や特色あるハイキングコースがあって、日本人にはまだまだ知られていない場所もたくさん眠っている。それらを実際に歩いてみて、レポートしてみようというのがこの【オークランド・自然公園ハイキング】シリーズ。今回は、北に1時間半ほど車を走らせた先の半島にある「タハラヌイ自然公園 tawharanui regional park」をご紹介しよう。車で往復3時間かける価値はここにはある!なぜかって?それは・・詳しくご紹介しましょう。オークランドのタハラ...

ここは政府の定めるバード・サンクチュアリーでもあり、園内に入るには外来種よけの鉄柵で囲われたゲートをくぐるなど、野鳥保護も厳重そのもの。

とは言え、タファラヌイはもともと大半が牧草地だったので、現在は植林をして森を取り戻している真っ最中でもある。年に数回植林デーが開催されていて、しかもすべてボランティア活動で行われている。僕が参加した回も総勢70~80名近くの有志たちが集まり、一日で約5000本の木を植えた。こうして少しずつ森が戻っていき、きっと10年、20年もすれば、深い森に鳥たちが飛び交う本当のサンクチュアリーに生まれ変わっていくのだろう。

Tree planting – tawharanui regional park

おススメのハイキングコースは「エコロジートレイル」

さて、午前中で植林が終わり、午後は友人らとショートコースを歩いた。
タファラヌイ自然公園は意外と敷地が広く、歩こうと思えば半日かかるコースもあるが、僕らが選んだのは森林と海岸を歩ける「エコロジー・トレイル」という短いコース。


(トレッキング地図。拡大/縮小可。左上の標高差をなぞるとコースの高低差が分かる。)

このエコロジー・トレイルの所要時間は、約1.5~2時間で、距離は3.8km。
森と草原、海辺がうまく組み合わさった歩くにはちょうどいいコースで、高低差もほとんどない。
タファラヌイに行ったら歩いておきたいベストコースと言ってもいいと思う。

Tawharanui regional park
Tawharanui regional park – Ecology Trail
タファラヌイ自然公園のエコロジートレイル

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雨がちな天気が幸いしてか、思いのほか野鳥が観れたのも嬉しかった。
オークランド地域では一度絶滅してしまったベルバードがここには普通に見られるし(鳴き声は本当に“森のベル”のよう)、

IMG_0765 bell bird ベルバード
bell bird ベルバード (ニュージーランドミツスイ)

 

特徴的な甲高い「ケケケケケ・・!」という鳴き声ですぐ見分けがつくサドルバック、

サドルバック(セアカホオダレムクドリ) photo by Flicker

 

群れでチチチチと鳴き交わしながら移動するホワイトヘッドも観ることができた。

ホワイトヘッド@Tiritiri matangi island
ホワイトヘッド(シロモフアムシクイ)

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なにより、タファラヌイには飛べない鳥・タカへがいる。海岸のそばに観察小屋が立っていて、その周辺にタカへの一家族がいることが多い。自然状態でタカへを見ることができるのは、ニュージーランド広しといえど、沖合のティリティリ・マタンギ島をのぞいては、ほとんど唯一の場所と言っていいだろう。

タファラヌイで出会ったタカへ

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上に挙げた鳥たちは、絶滅危惧種でふだんのハイキングではまずお目にかかれない鳥たちばかり。彼らが一堂に会するタファラヌイ自然公園は、オークランドの自然をそれなりに把握している僕からしても、とびぬけて生態系が豊かで、まさにバードサンクチュアリの名にふさわしいと思う。

マタカナのサンデーマーケットで午前中をゆっくりしたら、午後は時間をかけてタファラヌイ自然公園を歩いてみてほしい。きっとニュージーランドらしい景色と不思議な生き物たちに出会えるはずだ。

※その他のハイキングコース案内はこちらから!

Last Updated on 2022年9月25日 by 外山みのる

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