NATUREニュージーランド

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現代のペンギンより大きい!体長130cmのペンギンの化石がNZの大学の倉庫で見つかる。

なんだかニュージーランドらしくて面白いネイチャー・ニュース。オークランドで、太古のペンギンの化石が発掘されたというのだ。それも現代のペンギンよりも大きな、身長130センチ以上にもなろうかという巨大ペンギン。そんなすごい発見がどこであったんだろう?ニュースを読み進めると、びっくり仰天、なんとオークランド大学の倉庫から”再発見”され、新しい種ではないかと注目されているらしい。いったいどういうことなんだろう??

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太古の・・ペンギン!? photo by BBC




人間の子ども大の大きさがあった古代ペンギン

1971年のある日、28億年前の地層から巨大な生き物の化石が発掘された。「これはいったい何の化石だろう?」それを手にした考古学者はきっと頭を悩ませたに違いない。これまで発掘された化石とは明らかに違う謎の化石。しかし当時の技術では解明できず、正体不明のまま、オークランド大学にある正体不明の化石を保管する倉庫に投げ込まれてしまった。それから50年近くがたって、最新の3Dスキャンで別の化石を調査中に偶然見つかり、「これは新種だ!」と”再発見”された――というのが事の顛末のようだ。

その新しいペンギンは、身長が少なくとも130センチ、もしくはそれ以上あったと推測され、これは現代最大のペンギン・エンペラーペンギンの120センチよりも一回り以上も大きい。体重も60キロは優に超えただろう。そんな人間の子ども大のペンギンが太古のニュージーランドを歩いていたというのは、現代のブルーペンギン(体長30センチ~)やイエローアイドペンギン(体長70センチ)を見慣れた目にはなかなか想像しがたいものがある。

「きっとエンペラーペンギンでさえ、この化石の主の前では恐ろしくて逃げ出していたでしょう。」再発見したDr.ダニエル・トーマスは面白おかしくメディアに話をしてくれたが、もし同時期に人間がいたら、きっと人間だって逃げ出していたような気がする。

続々と見つかる太古のペンギンたちの化石

2012年にも太古のペンギンの化石が見つかったニュージーランド。こちらはすでに名前がついており、Kairuku Penguin(カイルクペンギン)と命名された。カイルクは25億年前の地層から見つかり、こちらも身長130センチと現代のエンペラーペンギンよりも大きかったと考えられている。

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Kairuku penguin by encyclopediaNZ

さらには、もっと古い34億年前の地層から見つかった、その名もGiant Penguinなんてのも見つかっている。身長150センチ、体重は人間の成人男性くらい。ここまでくるともうほとんど”ペンギン人間”と言いたいくらいの巨大さだ。

オークランド博物館の等身大Giant Penguin
オークランド博物館の等身大Giant Penguin

化石も証明する、ペンギン王国ニュージーランド。化石を丹念にたどって、ペンギンたちの祖先を追ってみるのも面白いかもしれない。

参照:BBC New Zealand: Giant penguin bones lay in shed for years

Last Updated on 2022年9月19日 by 外山みのる

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