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オークランド近郊でキャンプをしよう。【マフランギ自然公園】のテント泊レポ

オークランド近郊でキャンプをしよう。【マフランギ自然公園】のテント泊レポ

ぼくがまだ東京で仕事をしていたころ、よく神奈川の丹沢にキャンプをしに出かけていた。仕事がおわってすぐにテント場に向えば、夜の8時には山の中に張ったテントの中で紅茶をすすることができる。その手頃さが良くて、何度もただただテント泊をしたいがために(頂上へは登らず)キャンプ場へ向かっていたものだった。

オークランドに移住してきて2年がたったころ、ふとそんな昔のことを思い出して、NZでも気軽にキャンプができたらなぁと考えるようになった。オークランドでも気軽に最高のキャンプができるところはないだろうか。いくつか近郊のキャンプ場を試しに泊まってみると、とんでもないことが分かってきた。どれもこれも一級品にスゴイのである。水場やトイレは当たり前。ビーチに芝生も当たり前。あまりの待遇の良さに嬉しい悲鳴を上げることになった。

前置きが長くなったけれど、今日はそんなオークランドの”待遇のよすぎる”キャンプ場を紹介してみよう。シティから北へ50キロほどの場所にある、マフランギ・リージョナル・パーク(長いのでマフランギ自然公園とする)というキャンプ場だ。




マフランギ自然公園

マフランギ自然公園
マフランギ自然公園

(※Mahurangi Regional Parkがマップ上で選択できないので、かわりにキャンプ場のひとつ、Sullivans Bayで地図を出してある。)

マフランギはオークランド中心部から北へ約50キロ、車で45分程度のところにある海沿いの自然公園。公園と言っても遊具があるやつじゃなくて、日本語なら県立森林公園とでも訳せそうな、自然保護区となっている森だ。

県が管理するキャンプ場なので、一応有料で予約がいる。さっそく出発前に電話で予約をすると、
「干潮の時しかアクセスできませんよ」
と、なんとも珍しいことを言われてしまった。干潮の時間に歩いてしかアクセスできないキャンプ場。ちょっと驚いたけれど、それはそれで冒険心が掻き立てられて面白そうだ。

マフランギ・キャンプ場へのアクセスは徒歩のみ!

マフランギ自然公園
Sullivans bay – マフランギ自然公園

マフランギには4つのキャンプ場がある。一つは公園の中央にある駐車場からすぐのキャンプ場(Sullivans Bay)で、ここは唯一車で直接アクセスできる。もう2つは30分程度のハイキングでアクセスでき、最後の一つはボートがないと渡れない対岸のキャンプ場。僕が泊まったのは、車ではアクセスできない、歩いて35分の『Mita Bay』だ。

駐車場に到着して、車でアクセスできるSullivans Bayに泊まっているキーウィの老人に聞き込みをしてみると、どうやら「干潮時しか渡れない」という情報は、正確には「干潮時は岩場を歩いてショートカットできる」ということらしい。満潮時でも歩ける正規ルートもちゃんとあるのだという。

マフランギ自然公園
Mita Bayを見下ろす。左手の森にキャンプ場がある – マフランギ自然公園

ちょうど潮が満ちてきた時間帯だったので、老人に言われた通り丘を越える正規コースを歩くと、眼下に小さなビーチと芝生のエリアが見えてきた。森に囲まれ、ビーチに面したかなり良さそうなキャンプ場だ。着いてみるとその予感は確信に変わった。水場3か所、トイレも完備、森に囲まれ風も穏やか。何より芝生があまりに広い。テントを10個張ってもまだまだ余裕がありそうだ。

僕が行ったときは初夏の週末だというのに2張しかテントがなく、ほとんどプライベート・ビーチだった。こんなシークレット・スポットが、オークランドからわずか45分の場所にあるなんて本当に信じがたい。

マフランギ自然公園
Mita Bayキャンプ場 – マフランギ自然公園

潮干狩りに魚つり。夏なら海水浴!

海はあまりにキレイで遠浅。夏なら海水浴には事欠かないビーチが目の前に広がっている。潮が引けばコックルというアサリのような貝がとれて、釣り針を垂らすと魚もすぐに釣れた。海にはウニもたくさんいる。コメだけあれば自給自足できそうなくらい、生き物の豊かなマフランギの海。ビーチは東に面しているので朝日が昇る景色はまた格別だ。目の前の海で取れた食材を食べながら、刻一刻と変わる自然の景色を眺める。これほどの贅沢があるだろうか。

マフランギ自然公園
コックル – マフランギ自然公園

関連記事:ニュージーランドで潮干狩り?!ピピ・コックルはアサリのように美味しい。

キャンプ場選びで大切な注意点

これまで、このマフランギを含めてオークランド周辺でいくつかキャンプ場を泊まり歩いて気づいたことがある。それは

「車でアクセスできるキャンプ場かどうか」

でガラッと雰囲気が変わることだ。当然車で乗り入れられるところは定年後の方々や、軽いノリで来ている若者も多くなる。静かで落ち着いたテント泊を楽しみたいなら、ハイキングでしかいけないキャンプ場を選ぶといいと思う。遠ければ遠いほど、自然に囲まれた気持ちのいいキャンプになる。

マフランギ自然公園
Mita Bay – マフランギ自然公園

オークランド市が管理するリージョナルパークのキャンプ場なら、間違いなく水・トイレ・芝生エリアは完備されているので、水やトイレットペーパーは持ち歩かなくていいはずだ。電話でどのみち予約がいるので、その際に確認しておこう。

オークランド地域の自然公園でのキャンプの詳細(探しかた、予約や支払い方法など)はこちらをどうぞ!

ニュージーランドの自然と言えば南島の森や海がイメージされるかもしれないけれど、意外なことに大都市オークランド近郊にもキャンプ場を伴った“遊べる自然”がたくさん眠っている。特にリージョナル・パークと呼ばれる、日本語で県立公園や自然公園と言った感じの保護区をはじめとして、ガイドブックに載らない自然がよく残されている。オークランドに住んでいる僕の感覚からすると、このオークランド近郊の自然でさえ、遊びつくすには2~3年は要すると思えるほどだ。さて、このページではオークランド地域のキャンプ場の探し方と、予約...

 

Last Updated on 2022年9月19日 by 外山みのる

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