ニュージーランドに行ったら大自然の中でトレッキングをしてみたい!という方も多いだろう。
NZでのトレッキングは観光の目玉と言っていいほど人気があり、それだけにロンリープラネットなどのガイドブックには目移りするほどたくさんのコースが紹介されている。
でも、じゃぁ限りある時間の中で、ニュージーランドらしい景色に出会うにはどのコースを選んだらいいんだろう?
そんなときにまずチェックしたいのが、ニュージーランドを代表する10本のトレッキングコース、通称『グレートウォークス』だ。これは簡単に言えば「政府公認のNZらしい美しい景色が楽しめるベストコース」のことで、全国各地に設置されている。
その中でも最も新しいのが2019年にオープンとなった「パパロア・トラック」。
どんな場所の、どんなコースなんだろう?そして何より、グレートウォークになった理由とは?? 今日は新しいグレートウォークの魅力に迫ってみよう。
そもそも、NZのグレートウォークスって?
NZのトレッキング好きの間では知らないものはいない「グレートウォークス」。パパロアトラックの紹介の前に、ちょっとだけ概要を説明しておこう。
グレートウォークスとはその名の通り、ニュージーランドを代表するような絶景、地形、そして希少な植生や生きものたちが生息する自然環境が見られるコースと環境省が定義した、いわば”NZのベストコース”のことで、北島に3つ、南島に7つの合計10本のコースが設置されている。
基本的には自然のなかを縦走するマルチデイ・トレッキングで、総延長50キロ前後、山小屋を3~4泊しながら走破するコースがほとんどだ。観光バスでは到達できない原生林の奥深くを自分の足で歩きぬくだけに、近年「グレートウォーク」はより太古のままのニュージーランドを味わえるとして、山小屋の予約が取りにくいほど大人気となっている。パパロア・トラックが追加されたのも、過剰なまでのグレートウォーク人気を分散することが狙いの一つのようだ。
グレートウォークの公式紹介動画を集めた記事もどうぞ。↓
グレートウォークス「パパロア・トラック」はこんなトコ!
さて、グレートウォークに新コースが追加登録されたのは、グレートウォーク制度が創設された1993年以降はじめてのこと。それだけに、新たなコースではどんな景色が楽しめるんだろうと多くのファンが歩く機会をうかがっている。
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まず、コース名の正式名は、『Paparoa Track and Pike29 Memorial Track パパロア・トラック&パイク29メモリアル・トラック』。総延長55キロ、2泊3日で歩きぬける原生林コースだ。
パパロアというのは同名の国立公園から取った名で、場所は上の地図の通り、南島のウェストコースト、「パンケーキロック」でおなじみのグレイマスウのすぐそばにある。パパロアトラックは標高1000mを超える原生林を、稜線や渓谷に沿って歩けるようにコース設定がされていて、3日間のトレッキングで海、川、山、希少な植物であふれた原生林など、様々な要素を楽しめるようになっている。
ちなみに、もう一つのコース「パイク29」というのは、2010年に起こった鉱山崩落事故で29名が亡くなったパイク・リバーの鉱山跡がその名の由来だ。これはパパロアトラックのサイドトリップとしてアクセスできるようになっているようで、公式発表の「総延長55キロ」には含まれていない様子。パイク29メモリアルコースの所要時間は、片道10.8キロ、4~5時間となっている。
パパロア国立公園の魅力とは
なぜパパロア国立公園がグレートウォークにふさわしいと認められたのかというと、ここら一帯は観光名所「パンケーキロック」に代表されるようなカルスト地形だからだ。カルストとはライムストーン(石灰岩)で構成された大地のこと。石灰岩で構成されたパパロアの大地は浸食を受けやすいため、海岸線では不思議な波模様が、そして山の谷間には深い渓谷や洞窟が誕生し、他にはないダイナミックな風景を見せてくれている。
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そこに暮らす生きものたちもまた独特だ。
絶滅が心配されるオオマダラキーウィ(Great spotted kiwi)の数少ない生息域としても知られ、同国立公園では保護活動が行われている。彼らが暮らす森は南極ブナやニカウ・パーム等を中心とした原生林で、NZでしか見られない植物も多数見ることができる(そもそもNZの植物の8割は固有種だとしても!)。
ウェストコーストというなかなか普段はいかない場所にあるパパロア・トラック。それだけに人の手が極力加わっていない原生自然が楽しめるはずだ。いつか訪問できる日を楽しみにしていたい。
Last Updated on 2022年9月26日 by 外山みのる
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