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ワイトモケーブだけじゃない。無料で入れるワイプ・ケーブで“土ボタルの星空”観賞!

ワイトモケーブだけじゃない。無料で入れるワイプ・ケーブで“土ボタルの星空”観賞!

ニュージーランドの土ボタル(グロウワーム)鑑賞と言ったら、オークランドから車で2時間ほどの南にある「ワイトモ・ケーブ」が有名だと思う。もしかしたらあまりに有名すぎて、ここでしか土ボタルを観られないと思っている人も多いかもしれない。

でも、実のところ、土ボタルというのは条件さえ整っていれば割とどこでも見られる生き物だ。オークランド周辺でさえ、いくつか見られる場所がある。その最たる場所が「Waipu Cave(ワイプ・ケーブ)」という洞窟だ。ここは無料で入れる上に、ワイトモケーブ顔負けの”洞窟の星空“を鑑賞できる。僕も行ってみて、想像をはるかに超える土ボタルを見れて大満足だった!写真もたくさん撮ったので、ワイプケーブの魅力を余すことなく紹介しよう。




オークランドから日帰りでいける土ボタルスポット「ワイプ・ケーブ」へ

「ワイプ・ケーブ」へはオークランドから高速道路を使って北に2時間の町「ワイプ」の外れにある。ファンガレイまであとちょっと、というところで高速道路を降り、しばらく砂利道を走ると案内板と広々とした駐車場が見えてきた。

waipu caves

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ワイプ洞窟は無料で一般開放されている珍しい洞窟だ。
この地域の観光案内の冊子にはよく名前が出ていて知られた存在で、僕が友人らと行った時もすでに数台の車が停まっていた。一眼レフ、三脚、ライトをもってさっそく入口に向かう。洞窟内の星空とはいったいどんなだろう・・期待に胸がふくらんでくる。でも、入口をみてちょっとびっくり。いきなり天井が狭く、威圧感がすごい・・。1人で来てたらちょっと躊躇するレベルだ。

ワイプ・ケーブの入口!この先にグロウワームが待っている。
ワイプ・ケーブの入口!この先にグロウワームが待っている。

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入口を過ぎるとさっそく鍾乳洞らしく広々とした空間が広がった。同行の友人によれば、ワイプケーブは地図はないが、頑張ればかなり奥まで行けてしまうそうだ。でも、奥の方は餌が少ないのか土ボタルはあまりいない。したがって、いくつかある“部屋”のうち手前の方でよく土ボタルが見れるんだという。

P3262450 waipu cave ワイプ 土ボタル グロウワーム 洞窟
ワイプケーブの入口を中から撮影。天井のつららが見事!

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洞窟内は想像以上にアドベンチャーだ。足元にはくるぶし~ひざ下くらいまでの小川が流れ、隅の地面を歩こうにもかなりぬかるんでいる。なるほど、観光地化されていない洞窟とはこんな感じか。何度も滑りそうになりながら、三脚をまさに3本目の足代わりにしてヨタヨタと進んでいった。

入口から続いていた広い空間が一区切りする場所で、僕らは立ちどまった。どうやら、僕らの周囲にはすでに土ボタルがたくさん見れるらしいのだが、目が慣れてないのか、天井にぽつぽつと見れる程度だ。
「あれ、こんなもんかな?」と最初こそ思っていた・・が、これがほんとに目が慣れていないだけだったことが、すぐにわかってきた。

しばらくすると、目が慣れてきたのだろう、天井に土ボタルが瞬きはじめた。す・・すごい!「洞窟に広がる星空」とはよく言ったもので、さっきまで暗闇しか見えなかった場所に、まさに天の川みたいな光の粒が瞬いている。ホントにこんなに見れるなんて・・!!あっけにとられながら、満天の星空を眺めたのだった。

ワイプケーブの土ボタル。写真に収めるのはかなり難しかった。これは少し明るめの写真。
ワイプ・ケーブの土ボタル。こちらは暗めに撮影。
ワイプケーブ。30秒のスローシャッターで、自分を入れて撮ってみた。体が透明なのは心霊ではなく笑、30秒のうち数秒しか入らなかったから。


ちなみに、この写真を撮った最初の空間(入口から続く大きな空間)の先は、天井の低い川を歩きぬけると次の空間が広がっている。僕らは2つ目の空間で探検はやめて引き返した。先に進むには、しかるべき装備が必要だ。

足元は川&天井の低い空間を通り抜ける・・・。この先に2つ目の空間がある。

 

土ボタル(Glow Worm)ってどんな生き物?何の幼虫?

ちなみに、土ボタルを間近でも見ることができたので、なるべくよく分かるように写真を撮ってみた。
獲物を捕らえる糸がたくさんぶら下がっていて、その根元のところに薄い膜があり、その中に糸ミミズみたいな一部が光る幼虫が動いている。ライトを当てると逃げるように動いたので、外部からの光は苦手なのかもしれない(土ボタルよゴメン..!!)。

土ボタル、英語ではGlow Worm(そのまま「光る幼虫」の意味)。ニュージーランドやオーストラリアの洞窟や湿った土手に生息する。日本語ではホタルとは言うが実は蚊の仲間で、ニュージーランドに数百いる蚊の仲間の中で、glow wormの幼虫だけが光を出してエサをおびき寄せる習性をもっているようだ。

最初に書いた通り、湿気があり、蜘蛛の糸のような巣を作れるところならニュージーランド全土どこでも生息することができる。その条件を満たす最適な場所が、たまたま洞窟だったというわけだ。
オークランド周辺の土ボタルスポットについては、また別の機会に記事にしてみよう。

土ボタルの糸。よーく見ると・・!?
拡大写真。小さなミミズみたいなのが、土ボタルの正体!(フォーカス合ってないのはご愛敬..!!)
GlowwormLit
Flickerに分かりやすい写真があったので参考まで。薄い膜の中に長細い幼虫がいる。

 

美しい土ボタルの写真たち

ネットを探してみると、僕が今回探検したワイプ・ケーブの土ボタルの写真もたくさん出てきた。最後にきれいな写真もいくつか掲載してこの記事を締めくくろう。

 

Last Updated on 2022年9月24日 by 外山みのる

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