マヌカハニーの元となるマヌカという木は、ニュージーランドではとてもよく見かける常緑低木の植物だ。現地で造園業や自然保護の活動なんかに出入りしていると、マヌカの木を植える機会も多くある。僕はそこで一つずっと気になっていたことがあった。
ときどき、現地のキーウィ(NZ人)は、この植物のことをマヌカと呼ばずにTea Tree、お茶の木!?と呼んでいるのだ。なんとなく見た目的にお茶の葉といえば言えなくもないが・・何か由来があるのだろうか?調べてみると面白いことが分かってきた。
「なぜマヌカはティーツリーと呼ばれるのか?」
今日はそんな疑問を解いてみよう。
なぜ、マヌカはティーツリーと呼ばれるのか?
なぜティーツリーと呼ばれるようになったのか。その答えをはなんと大航海時代にまでさかのぼっていく。
18世紀後半にニュージーランドに最初に上陸し、詳細な地図を作成したとして名を残した”キャプテン・クック”こと、ジェームズ・クック。彼らのいた大航海時代は、フルーツなどを長期間貯蔵する術がなかったために、ビタミン不足による壊血病が船乗りたちの間で恐れられていた。南半球の果てを長期にわたって航海していたジェームズ・クックの船団も、ビタミン不足は常に死活問題だったはずだ。
長きにわたった航海の果てにニュージーランドを”発見”したジェームズ・クックは、さっそくこの問題を解決しようと有用な植物の調査に乗り出していく。お抱えの植物学者は多くの植物を採集し、やがて煮詰めて飲むことでビタミンが摂取できる植物があることを突き止めた。それが、マオリ族に「マヌカ」と呼ばれていた植物だった。
ちょうどお茶のような味だったことから、彼らの間ではいつしか「マヌカ」を「ティーツリー」と呼ぶようになった。その名前はのちにやってくるヨーロッパからの入植者たちにも受け継がれ、「ティーツリー」という別名は、お茶として飲まれなくなった今でも大航海時代の名残として使われているのだった。
さて、ティーツリーのお味は?
マヌカの別名「ティーツリー」。その由来の背景にあるのはニュージーランドの歴史そのものだ。名前一つとっても、どこか歴史に繋がっているんだと思うと、やはりニュージーランドの植物は面白いと思う。今後もこういった植物とNZの歴史のお話は順次ご紹介していきたい。
さて、余談だけど、キャプテン・クックも飲んだというティーツリーのお味はと言うと・・これがどうやら「トンデモなく苦くて、飲めたもんじゃない」らしい(笑)
ただしこれは生の葉っぱを煮たてた体験談。乾燥させて、適量を使えば、きっと薬用効果の期待できる素晴らしいお茶になるんだろう。
- 参考記事
Dale Harvey : History of the Manuka Tree
Wikipedia : Leptospermum scoparium
Camper Mate : Making Tea From The Manuka Tree…
Last Updated on 2022年9月20日 by 外山みのる
乾燥させて飲んだら少し苦味はありますが美味しかったです。
執筆されるなら実際に確かめてほしいです。
単独ではなくブレンドする方が良いかもしれません