北島北部のファンガレイという町の東側に、ファンガレイヘッドと呼ばれる半島がある。この半島は自然が多く残されていて、植物も亜熱帯寄りで、貴重な鳥もおおい、実はトレッキング好きにはたまらない場所だ。
今日はそのファンガレイ・ヘッドの先端、Bream Headにある、Te whara walkというコースをご紹介しよう。山ありビーチあり、マオリの遺跡ありの大満足のトレッキング。いったいどんなコースなんだろうか?
ファンガレイ・ヘッドへ行こう!
ファンガレイはオークランドから車で北に2時間ほど、その東にあるファンガレイ・ヘッドは半島の先なのでさらに30分ほどかかる。上の地図をサテライトにしてみるとよくわかる通り、森が多く、半島の先もキーウィ保護区に指定されているような自然が残っている。Bream Headはその先端部の保護区の名で、横断するコースをTe Whara walkという。
牛と一緒に牧草地を歩く!
ブリームヘッドのコースは、牧草地から始まる。
コース西側からスタートし、ゲートをあけて牧場の中に入っていくと、小さな湾を見下ろすように丘を登っていく。牛たちが草を食んでいるそのすぐそばを通ると、さっそく牛たちは「なんだなんだ?」と好奇心いっぱいにして近寄ってきてくれた。牛たちはおどおどしながらも、興味を押さえきれない!といった感じで寄ったり下がったり。意外とかわいいところがあるんだなぁと妙に見直してしまう。自由にのびのびと暮らす牛は元気いっぱいだ。
マオリの遺跡「パ」がある!
牧草地帯をはずれ、少しずつ周囲に木々が増えてきた。これから本格的に森の中に入っていくのだろう。
森に入る前に、ちょっとした丘を歩いていると、一緒に歩いていた地元のニュージーランド人がすごいことを言いだした。
「ここは昔、マオリ族の”Pa”だった場所だよ。」
Pa(パ)とはマオリ語で、砦とか居住地のことだ。
マオリ族は見晴らしのいい場所に村をかまえ、村はずれには必ず貝塚(ゴミ捨て場)を設けていたとされる。でも、ここには史跡をしめす標識やフェンスなどは見当たらない。本当なんだろうか??
「地層をみて。貝殻ばかりでしょう。」
たしかに、足元には丘の上なのに貝殻がちらばっている。トレッキングコースが丘を削るようにできているので、貝殻だけの地層もくっきり見える。ここはかつて貝塚があって、つまりマオリ族が村を構えていた場所だったというのだ。そんな重要な遺跡が何気なく埋もれているなんて・・これはこれで大雑把でニュージーランドらしいとはいえ、標識くらい掲げてもいいのにとも思ってしまう。
プライベート・ビーチで一休み
ブリームヘッドはコースを通じてところどころに小さなビーチがあって、休憩するにはもってこいだ。NZ名物のクリスマス・ツリーことポフツカワの大木の陰に腰掛けて、波の音を聞きながら紅茶をすする。海水はあまりにもきれいで、波が起こるとその後ろにゆらめく海草がくっきり見えるくらいだ。人影もなく、だれにも邪魔されないビーチでのんびりできるなんて、なんて贅沢な時間だろう。
ブリームヘッドのトレッキング情報
海岸沿いの山歩きなので、コース全体を通して多少の登り降りがある。それでも、2時間程度のショートウォークから、一泊二日のトレッキングまでできて、それぞれの事情に合わせてコース選択できるから問題ないと思う。横断すると7~8時間かかるが、途中にPeach Coveという海辺の山小屋があって宿泊もできる。ここはキーウィや、森のオウムこと「カカ」も見られるようだ。せっかくなら一泊すると面白いだろう。
- 参考:Discover Whangarei Heads: Bream head walkway
最後に、秘蔵映像・・!
映像が残っていたので上げておこう。これは確か最高峰Mt.Te whara(476m)での映像だったと思う。すばらしい景色をご覧あれ。
登山コースはこちら。
Last Updated on 2022年9月20日 by 外山みのる
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