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たった130年前までNZの巨鳥『モア』は生息していた!?貴重なインタビュー証言「背丈よりも大きな鳥が・・」

「あるとき、砂の上にうずくまって日光浴をしている大きな鳥を見つけたの。

その鳥は立ち上がると私の背丈を超えるほどの大きさで、恐ろしくなって無我夢中で逃げたわ――」

「――ずっとずっと、その鳥は”タカへ”(NZに現存する別の鳥)だと思ってた。でも・・」

・・・そんなお話から始まる、古いラジオ局のインタビュー音源がある。
インタビューを受ける彼女の名は、アリス・マッケンジー。時はニュージーランドという国が産声を上げ始めたばかりの19世紀末。NZ南島の原生林に暮らした彼女は、子どものころに見たこともない大きな鳥に出くわしたという。

その鳥は、おそらく絶滅した鳥『モア』ではなかったか。1959年に収録されたというインタビューをひも解きながら、ニュージーランド最大の謎「モアは今でもいるのか」に迫ってみよう。

1880年。NZ南島の森で出会った、“青くて大きな鳥”

Alice by cryptomundo.com/

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アリス・マッケンジー(Alice Mckenzie)、NZ南島・西部にあるホキティカ生まれ。彼女はそこからさらに南へ下った、ミルフォードサウンドに近いマーティンズ・ベイという海岸線のファームで少女時代を過ごした。


1880年、アリスがまだ7才のころのある日。海沿いの森を歩いていると奇妙な生き物を見つけた。なんだろう??見たこともない大きな鳥だ。”それ”は砂の上にうずくまってじっとしている。どうやら日光浴をしているみたいだ。

「私はゆっくりゆっくり近づいて、その真後ろに座ったの。青みがかった大きな鳥で、羽は大きくお尻に向かってカーブしてて、しっぽは無かった。手で触っても動かないから、すぐそばにあったフラックス(1.5mほどになるイネ科のような植物)をその足に縛り付けてみたの。そしたら・・」

その瞬間、アリスのちょっとした悪戯に気が付いたのか、その鳥は勢いよく立ちあがった。うずくまっていたから気が付かなかったが、立ちあがるとその背丈はゆうにアリスを超えるほどの大きさがある。さらには鋭い唸り声をあげ、こちらを追いかけようとするではないか!

「噛みついてこようとしたから、もう無我夢中でビーチに向かって走ったわ。海に入れば、追いかけてこないだろうと思ったの。」

逃げるように家に戻ると、息を切らしながら父親に何を見たのかを話した。すぐに父親とその巨大な鳥がいた場所へ戻ってみたが、すでにもぬけの殻。ただし、砂の上に残された足跡は、持ってきた定規で計ると11インチもあった。11インチ・・1inchは2.54cm。つまり、約30cm近い足跡が残されていたのだ。

そんな大きな足跡を残せる鳥は、ニュージーランドには存在しない。いや、正確には、もういないはずだ。飛べない巨鳥「モア」は、マオリ族がこの地にやってきて間もない1500年ごろにとっくに絶滅したと考えられているからだ。でも・・そのモアがアリスの前に姿を見せたと考える以外、いったいどうやってこの体験談を説明すればいいのだろう?

なぜモア遭遇体験を公表するまで70年もかかったのか

冒頭に書いた通り、インタビューが行われたのは1959年。アリスが”遭遇”した1880年から、実に79年もの歳月を経ての公表となった。そこにはどんな背景があったんだろう?

1880年の遭遇当初、アリスやその父親は、その鳥は「タカへ」だったのだろうと結論づけていたという。

タカへというのは、クイナ科の青みがかった羽を持つ飛べない鳥だ。現代にもかろうじて生息しているが、実はアリスが子どもの時代には、すでに絶滅してしまったのではないかと考えられていた。(”タカへの再発見物語”は別にまとめているので下のリンク先をどうそ。)

takahe@ tiritiri matangi

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つまり、アリスは”青い羽の飛べない鳥”から連想して、それを(実物を見たことがないにせよ)タカへだと思い込んでいたのだ。
だが、1948年にタカへは再発見され、アリスはついにタカへの実物を目にすることになる。そして目にしたのは、記憶の中の鳥とはかけ離れた――遥かに小さく、無かったはずの赤いくちばしもある――鳥だった。

「あの時の鳥はタカへじゃなかった・・。もっと大きな鳥・・きっとあれはモアだったんだ。」

そうして、半世紀以上も経ってその信憑性の高い目撃情報が世に出ることになったのだった。

ブッシュ・モアは現代にもいる?

おそらく、7歳の女の子の背丈を超えるモアとすれば、アリスが遭遇したのは全長約1mほどの”小型のモア”、bush moaだったのではないだろうか

bush moa の想像図  byNZ Birds Online

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「モア」と一口に言っても南北に長い国土に応じて10種類以上もいたとされている。つまり、その中でも大型のモアはマオリ族の狩りで絶滅してしまったが、マオリ族さえ寄りつかなかったニュージーランド南西部のフィヨルドの険しい原生林に、小型のモアが残っていた・・と仮説を立てても何ら不思議ではない。

アリスの目撃情報は、”ヨーロッパからの移民による唯一のモアとの遭遇情報”であり、”モアの羽は青い(navy-blue)と証言した唯一の目撃情報”でもあるという。「1メートルほどの大きさ」「カーブのかかった青い羽」「尾はない」「唸るような鳴き声」「30センチ近い足跡」・・これらの情報は、目撃者が7才だからと一蹴するにはあまりに情報が的確すぎるのではないだろうか。

国の見解としては「モアは1500年ごろに絶滅」の姿勢を崩していない。

「でも、もしかしたら・・・」アリスのインタビュー音源を聞くと、そう思わずにはいられない。

※英語が分かる方は、当時の音源が収められたラジオ放送を聞いてみてください→
Radio New Zealand  [archives-Moa sightings: from the incredible to the… credible]

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